Bさわ/事務椅子
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タイヤ付きの事務椅子に座ったまま、電話に出ようとしたのが間違いだった。 軽く地面を蹴って、電話の鳴る隣のデスクへ移動しようとした。 動き出したその椅子の背もたれに、たまたま背筋を伸ばそうとした同僚の森田くんの肘が当たり、 コピー機を使おうと近づいてきた鈴原さんが椅子の足を蹴り、 慌てて外回りに出ようとしていた新人の岡田くんが僕の体にぶつかり、 総務部から書類を提出に来た秋元さんがドアを開けた。 これらのことが同時に起きたことと、何より僕の蹴る力が思った以上に強かったことで、推進力と遠心力と僕を乗せた事務椅子は、そのまま営業部から飛び出していった。 廊下にいるみんなが・・・理部の藤野さん、製造部の後藤部長、管理部の高島さん・・・みんなが事務椅子で滑走する僕を見ていた。 「真鍋さんどうしたの!?」「何をふざけているんだ!」「すっげバランス感覚!え!?ずっと回ってるの!?赤いよ!」 声は他にも聞こえた様な気がしたが、認識するには至らなかった。 途中、何人かが僕を止めようとしたみたいだが、僕の腕や足に衝撃が走ったと同時に悲鳴が上がり、世界は回り続けた。 まあ、もとから回ってんだけど、今日は特に。 いい加減回りながら移動する景色を眺めるのも苦痛になった僕は目を閉じた。 その時、足先に何かが触れたのを感じた。いや、さっきも何人かを蹴っ飛ばしているのだが、それとは明らかに違う何かが。 (ポーン ドアが閉まります ご注意ください。) 察した僕は目を開けた。エレベーターの鏡の前で事務椅子に座ったまま回り続ける僕は、最上階を目座いていた。 やっぱりさっき言われた赤いというのは、おそらく僕の顔を見て言った言葉なのだった。 遠心力により、血液が外へ外へ流れている。 最上階に着き、エレベーターのドアが開いた。 到着と、ドアの開く反動で、再び事務椅子は進み出す。 そして、最後の力を振り絞った事務椅子はついに回転と前進を止めた。 まるで、そうなることが決まっていたかのように、社長の椅子の前で。 自由を取り戻した僕は、気絶した社長の顔に付いた靴の汚れをふき、社長の椅子に手をかけた。 重厚な革張りの椅子は、まさに権力の象徴、会社を背負って立つ人物にこそふさわしい。 今はこの回転椅子だけど、いつか僕もこの椅子にふさわしkおえぇぇぇぇぇぇぇぇえええ!!!!!! |
バタフライマフィン/お見舞い
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いるか:あのさぁ・・・、私足の骨を折って入院してるって言ったよね? 入院中ヒマだから、何かゲームでも持ってきてくれたら嬉しいなとは確かに言ったよ? 椅子取りゲームの道具を一式持ってくるってどういう事!? 菜々子:えっ!?ダメなの? いるか:ダメに決まってるでしょ! まず病院っていうのは騒いじゃダメなの! 菜々子:でも、椅子取りゲームだったら大人数で遊べるから、同じ病室の人たちと遊べていいかと思って・・・ いるか:同じ病室の人たちと遊ばないわよ! なんで他の患者さんたちをあなたの異端な発想に巻き込まなきゃいけないの! だいたい菜々子ちゃん、その持ってきたイスってどんなイスだっけ? 菜々子:ロッキングチェアが8脚だけど・・・ いるか:なんでそんな椅子取りゲームに適さないイスをチョイスしたの! 病室だから幅もとるし・・・ 菜々子:ダメだった・・・? いるか:もちろんよ!第一この病室6人部屋だから無意味に3脚持て余すのよ! そんでもって椅子取りゲームで流すための音楽も持って来てたわよね・・・? 何持ってきたんだっけ? 菜々子:ドラクエのBGMのアルバムだけど・・・ いるか:それ持ってくるくらいならモノホンのドラクエ持ってきなさいよ! その1つで済んだ話よ? 菜々子:でもせっかくタブレットでダウンロード購入したのをパソコンに移してCDに焼いて持ってきたわけだし・・・ いるか:その手間かけるくらいならタブレットだけ持ってきたらよかったのに! タブレットだけ持ってきた方が良いかと、思います〜♪ 菜々子:(怒りすぎて、いるかちゃんが壊れた!?) いるか:てかね菜々子ちゃん。 そもそも私今足折ってるんだから歩けないのよ! そんな人を椅子取りゲームで無理やり歩かせないでちょうだい!ましてやリズムに乗せさせて。 菜々子:そうでした・・・!! いるか:今まで気が付かなかったの!? まぁここまでだいぶ回りくどいお見舞い品を持って来てる時点で驚く事でもないのかもだけど。 菜々子:ごめんね、心配でお見舞いに来たのに逆に迷惑かけちゃったね。 いるか:たまったもんじゃないわよ。 イスとか全部持って帰ってちょうだい! 菜々子:持ってきたもの全部・・・? いるか:もちろん全部! 菜々子:メロンも〜・・・? いるか:メロンはいただきます!! |
TOPシークレット連盟/会社の昼休み
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女上司:……何コレ。 男部下:へ??? 何すっか??? 女上司:いや私は暑かったからさ、1番後輩である君にお使いを頼んだわけ。 男部下:だから買ってきたじゃないですか!! 座り心地抜群ですよ!! 女上司:私は「アイス」を頼んだはずだけど…… 男部下:だから「a 椅子」じゃないですか!!! 女上司:うわ屈託のない笑顔。いやその聞き間違いもそうだけどさぁ…… 四つん這いで女上司に対して必死に熱視線を送るおっさん:はぁ……はぁ…… 男部下:独身OLの椅子志望だそうです!!! 必死にスカウトして見つけました!!! あっおつり30円です。 女上司:……男の部下に 200円渡して「アイス買ってきて」とお願いした結果、 170円で購入した四つん這いのおっさんがやってくるなんて誰が想像した。 いやおっさんを購入って何。何のスカウトだ。いやまず椅子志望ってなんやねん。駄目だ短文に向いてないハードコアな状況。 男部下:是非座ってください!!! 「1万渡すんでお願いします!!」って言うぐらい熱意がある椅子なんで!!! 女上司:お前、1万170円を私用で使ったな。 男部下:いやおっさんに服買ってあげました!!! 司さんのお尻を汚さないようにトレンチコートを!!! 女上司(めがみ つかさ):季節が恐らく夏だという設定守って。そういうの気にする人いるから。 男部下:あっ、でも少しお腹空いていたのでコンビニ寄ってガリガリ君買っちゃいました。暑かったし。 女上司:おい!! それを求めてたんだよぉ!! 男部下:もちろん女上司の分もガリガリ君も買ってきましたんで。 女上司:っしゃ!!!!! 目的達成!!!!! 女上司、腰かけて男部下(だん ぶした……女上司でやめときゃよかった)と隣り合わせで幸せそうにガリガリ君を食べている。〜HAPPY END〜 ちなみに、女上司の見た目は、小 島 瑠 璃 子 を 座 椅 子 で 5 0 発 殴ったような顔です。 女上司と男部下の椅子と化したおっさん:はぁ……はぁ……(落胆) いくら凝視してもこれはなイ ッ ス。〜Bitter End〜 |
バトルロワイR/
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はぁ〜、立ってるの疲れた… 座れないかな… あっ、あそこの席 空いた って、えええぇ!? 何この椅子!? 鍵がかかってる!? 鍵がないと座れないのぉ!? クソゥ…… さっき降りたあいつ、椅子に鍵かけるのが好きなんだな! いや、鍵をかけるのじゃなくて椅子の鍵自体が好きなのかも! ちくしょう! 座りたいよぉ…… うぅ、ううううう、椅子…… う…… う…… 椅子ぅ ううう…… 椅 子 key が お 好 き で し ょ う ! 椅「はいどーも! 椅子ゞと言います。二人とも14才の男子中学生でございます。」 子「よろしくお願します。僕らは年齢の語呂合わせをそのままコンビ名にしてるんですよね。」 椅「そうなんです。だから去年は13才だったので遺産ズ でしたし、来年は15才なので囲碁ズになります!再来年は16才で医務ズです!」 子「まぁね、我々は14才ですから、一つ前の年の自分なんてすぐ黒歴史に感じるわけですから改名も致し方ないのです。」 椅「では、本題に入りますけど、やはり大人への憧れからか すごく古い雰囲気のラーメン屋に憧れるんですよね。」 子「あ〜、渋いですね。憧れる憧れる。」 椅「漫画も少し汚れていて しかも途中の巻までしか置いてなかったりね。 例えば 『スーパーマリオくん』が10巻までしか置かれてなかったりとか。」 子「うわ〜 懐かしい! そんなに続いてるんだ!」 椅「いやお前がコロコロ読んでた頃、もう40巻近かっただろ!!!!!!!!!!!!!! リアクションがおかしいぞ!!!!!!!!!!!!!!」 子「他にも『ちびまる子ちゃん』が20巻までしか置かれてなかったりね。」 椅「そんなに漫画でてねえよ!!!!!!!!!!!!!! 生まれる前からアニメ続いてるけど原作漫画はそんなに出てねえんだよ!!!!!!!!!!!!!!」 子「んで、肝心の料理のほうね。みそラーとか醤油ラーじゃなくてもっと渋いのが良いよな。 サンマーメンとか。」 椅「あっ、良い。もう名前に『ラーメン』って入ってないだけでもう渋い。通っぽいわー。 あと他には『鎮江酢辣湯 陝擇舛鵑魁爾后爾蕁爾燭鵑瓩鵝曄戮箸C諭C任皀灰譴鰐樵阿氈「修痢△舛腓辰箸諭」 下ネタっぽくて注文が恥ずかしいな。」 子「そういう時は手分けして言えば良いんだよ。俺が『スーラータンメン』を言うから残りは頼んだ。」 椅「俺、チンコって言うだけじゃねえか!!!!!!!!!!!!!! 言いたくないとこをそのまま寄越すな!!!!!!!!!!!!!!」 子「でも、渋い店では結局アレが一番おいしかったりするんだよね。」 椅「アレって?」 子「半ライス」 椅「メシかぁい!!!!!!!!!!!!!! もういいっす!!!!!!!!!!!!!!」 |