今月のネタ
審査ペーパー
今月のネタ
バニーガール/キラキラネーム


爽雄 爽雄です。

陽子 陽子です!二人合わせて・・・

二人 バニーガールでーす!!

陽子 明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします!

爽雄 そして、今年からの新企画、「ツキイチ!」もぜひ御贔屓に。頑張っていきましょうよ。

陽子 そうだね!最近気になる事とかある?

爽雄 ちょっと前からキラキラネームって言葉を良く聞きますよね。

陽子 あぁ、当て字とか時のイメージで読ませるって言うね。

爽雄 実際にある名前だと、「亞堕夢」って書いて「アダム」とか、「きてぃ」とか、「礼」で「ペコ」とか。

陽子 これはちょっと名付けられた子供はかわいそうだよね。

爽雄 どっちも日本人って言うか、人間の名前に聞こえないな。

陽子 そこまで言うか!?でも確かに珍しいのは否めないかなあ・・・。

爽雄 そもそも、子供の名前って言うのは親のちゃんとした願いを込めないといけないわけだから。

陽子 その場で思いついたような響きでつけちゃダメだよね。

爽雄 因みに、何で「陽子」って名前をつけてもらったの?具志堅的な?

陽子 全然違うわ!具志堅だったら用高だし!

爽雄 「具志堅」もかなりのキラキラネームだよな。

陽子 あれは名字だから!っていうか、私の名前は「太陽のように明るい子」に育ってほしいってお父さんがつけてくれたの!

爽雄 ・・・それだったら「太陽」で良かったんじゃない?

陽子 それはちょっと・・・一応女の子なんだから・・・。

爽雄 あ、太陽っていう時点ですでにキラキラネームの予感がするぞ。

陽子 肉眼的な意味で!?

爽雄 もし自分が将来結婚して、子供ができたらちゃんと意味合いのこもった名前をつけてあげたいですよね。

陽子 あ、もうちゃんと考えてあるんだ?

爽雄 もちろん。男の子、女の子どちらのパターンも考えてるよ。

陽子 じゃあ、爽ちゃんに男の子ができました!何て名前をつける?

爽雄 やっぱり、自分の名前から一文字つけてあげたいわけだ。

陽子 あぁ、なるほどね。それは親心として分かるかもしれない。

爽雄 その上で、どんな状況でも黙々と仕事をするって言う我慢強い、男らしい子に育ってほしい。

陽子 そう言う意味合いを込めるわけね?

爽雄 で、名前は、「鍋彦」。

陽子 ・・・ん!?

爽雄 「真鍋鍋彦」・・・いい響きだ!

陽子 どこが!?え!?名前から一文字って名字から!?

爽雄 どんな具材が入っていても、例えそこがこげようとも、文句も言わずに熱くなれるわけだ。

陽子 鍋に期待込めすぎ!普通さ!「爽」か「雄」から一文字とるよ!?百歩譲って名字からにしても「真」を取るよ!?

爽雄 でもさ、自分の好きな物から名前をつける人っているじゃん。

陽子 ・・・それポケモン好きだから自分の子供にピカチュウってつけるのと変わらないよ!

爽雄 因みに好きな食べ物聞いていい?

陽子 私はそっから名前をつけないよ!?絶対嫌だよ自分の子供の名前が三輪ハンバーグとか三輪シュークリームだったら!

爽雄 ・・・本人が子供みたいな味覚だな。

陽子 うるさいっ!・・・一応聞くけど、女の子が生まれたらどうするの?

爽雄 そりゃあ、奥さんの名前から一文字とりますよ。

陽子 ああ、それだったらまだ分からないよね。

爽雄 いや、もう決まってる。

陽子 え!?すでに結婚を約束した人が?

爽雄 ・・・何言ってんだよ?付けたい名前さっき言ったじゃん。

陽子 ・・・「奥さんの名前から一文字取りますよ」って言うのが付けたい名前なの!?

爽雄 何か問題でも?

陽子 大問題だわ!他のどんな名前よりも斬新すぎる!

爽雄 「真鍋奥さんの名前から一文字とりますよ」ちゃん。可愛いですよね?

陽子 どこが!?って言うかどっからどこまでが名前なのか分からないって言うか初見の人は名前なのかどうかが分からない!

爽雄 あぁ・・・でも、子供ができたら可愛いんだろうな。周りの子供からあ名をつけられて、「ナベちゃん」とか呼ばれるのかなあ・・・。

陽子 完全に名字からのあだ名じゃないか!

爽雄 でも、個性的な名前は覚えられやすいと思うんだよな。

陽子 いや・・・絶対下の名前浸透してないでしょ?

爽雄 まあ、あんまり個性的すぎると将来的にいじめの対象にもなりやすいらしいね。

陽子 そうそう、もっと言えば就職活動の時に苦労するっていう話もあるよ。

爽雄 でも、それは偏見だよな。いじめを受けていたってだけで仕事できないって判断されるなんて。

陽子 ・・・そうじゃないって!個性的すぎる名前のせいで企業から敬遠されるってこと!

爽雄 でも、僕だったらそれを個性にしてアピールすることができると思いますけどね。

陽子 あら、寧ろ武器にするってこと?本当にできるの?

爽雄 じゃあ、僕が面接に受けにくる就活生と、面接担当の会社の人をやるから、君は面接を受けに来る就活生と、面接担当の会社の人をやって。

陽子 ・・・ってことは・・・?





二人 次の方どうぞー。

二人 失礼します。(ガチャ)よろしくお願いします!

二人 では、そこの席へお座りください。まずはお名前から。

陽子 いやいやいやいや!何この無駄な時間!?

爽雄 ここにきて二人のイルミネーションを見せ付けてやったぜ。

陽子 コンビネーションのこと!?生きはあってたかもしれないけど、ネタの方向性は間違ってる!

爽雄 じゃあどうすればいいのさ?ここから軌道修正して特定秘密保護法案について語りますか?

陽子 今更何言ってんの!?題材から変えてくるとか飛んだ舵取りを試みるね!そうじゃなくて、私が面接官やるから、キラキラネームの就活生やってよ!

爽雄 お前が面接官か・・・世も不況ですな。

陽子 どういう意味!?何でもいいから早くやれや!





爽雄 (コンコン)

陽子 次の方どうぞー。

爽雄 (ガチャ)失礼します!よろしくお願いします!

陽子 はい、それでは面接を始めます。まずはお名前から。

爽雄 真鍋ダイアモンドです。

陽子 ・・・。

爽雄 ・・・変わった名前ですよね。ぜひ覚えてください。

陽子 漢字でどう書くんですか?

爽雄 大小の大に、亜細亜の亜、桜田門の門に、一郎の郎です。

陽子 ・・・真鍋大亜門郎・・・ダイアモンローになってるけど大丈夫!?

爽雄 よろしくお願いします!

陽子 一応聞くけど両親とも日本人ですよね?

爽雄 はい、父太郎、母花子の間に生まれました!

陽子 あらら・・・両親はともにサンプルでありそうな名前・・・。

爽雄 父から郎の一文字を頂きました!

陽子 そのこだわりの設定生きてた!だからと言って強引につけた結果マリリンっぽくなっちゃった!えっと・・・じゃあ、真鍋くんはどうして弊社への就職を希望したのですか?

爽雄 はい!御社の出版物にいたく感銘を受け、私もその出版に携わりたいと思い志望させて頂きました!

陽子 なるほど、因みにそのタイトルは?

爽雄 地球の歩き方です!

陽子 ・・・これダイアモンド社の設定だったんだ!!

爽雄 この会社しかあり得ないと思ってます!

陽子 いや、何かずるいよこの設定!

爽雄 何言ってるんだよ?逆にそういった会社に面接に行けばいいじゃないか。

陽子 でもやっぱり変な目で見られるって!

爽雄 ・・・それは性的な意味で?

陽子 だったら名前関係ないじゃん!本人の色気次第だわ!

爽雄 じゃあ、君にはそもそも心配のない話だね。

陽子 なんちゅうこと言うのさ!!って言うか全然面接上手く無いじゃん!

爽雄 まあ、僕はすでにバニーガールに就職してるから関係ない話だけどね。

陽子 上手くない!もういいよ。

二人 どうもありがとうございました。









インタープラグ/彼のことを忘れるな


八神 真鍋、まさかお前が事故で亡くなるなんて思わなかったよ。

綿谷 え〜っと、このへんだったよな・・・?

八神 飛び出してきた子供をよけて電柱につっこむだなんて、お前は優し過ぎるよな。

綿谷 ん〜っと・・・。

八神 でもな、お前は俺や皆の心の中に生き続けているから、寂しくなんかないぜ?

綿谷 あ、あそこの曲がり角だ・・・。

八神 天国でも大好きなドラムを叩いてるのかな?

綿谷 おっと、おっととと・・・あ、人がいる・・・ 。

八神 俺が将来、そっちに逝った時はまたセッションしような?(電柱の脇に花を供える)

綿谷 ・・・おはようございます。

八神 え?あぁ、どうも。

綿谷 真鍋くんの友達ですか?

八神 そうですよ。高校の時の同級生で。

綿谷 そうでしたか。僕は大学の時の・・・。

八神 へぇ・・・じゃあやっぱり今日は・・・。

綿谷 はい。僕もこれ、供えさせてください。

八神 あぁ、どうぞ。おっと。

綿谷 おっとと・・・。(塀の前に花を供える)

二人 (両手を合わせる)

八神 ・・・ふぅ。あの事故からもう1年がたつんですね。

綿谷 ええ。まさかあいつに限ってあんなことになるとは・・・。

八神 俺なんて、事故の前の日に会って話もしたんですけどね。

綿谷 人生何が起きるか分かりませんね。でも、僕はこの事故のことを風化させたくないし、彼のことを忘れたくないんです。

八神 誰からも好かれるやつでしたからね。ほら、俺たち以外にもお供えをしている人がいますし。

綿谷 そうですね・・・。

八神 うん・・・しかし・・・いくらか多過ぎやしませんかね?

綿谷 へ?・・・あ、お供えがですか?そうかなあ・・・?

八神 いや、やっぱりこのお供えの量はちょっと以上ですよね?俺、あそこの曲がり角曲がってきたんですけど、一瞬この一帯が花畑みたいに見えたもん・・・!

綿谷 まあ、下手なお花屋さんより色々な花が並んでいますからねえ。

八神 花屋っていうか、お菓子やら飲み物やらもいっぱい置いてあるから雑貨屋みたいだ・・・。

綿谷 まあ、これくらい人望があったってことでしょうね。

八神 でもなぁ〜・・・いくら人望があってもな〜・・・あんまり言いたくないけど、貴方の備えた位置間違ってるからね?

綿谷 マジすか!?こっちの方に彼の好きだった煙草が備えてあったから!

八神 あいつ電柱に激突して亡くなったんだよ!?そっちの塀にはかすってもないよ!

綿谷 でも、その電柱の前には花束やら音楽雑誌やらが置いてあって、供えるスペースが無いんですもの!

八神 置きようが無いっちゃないんですよね・・・。

綿谷 その辺の献花ちょっとどかしてもらっていいですかね?

八神 じゃあ、ちょっとずらしますか。よっと。

綿谷 ありがとうございます。おっと・・・(ガチャン)あっ・・・!

八神 あ、ビールが・・・。

綿谷 おっと・・・(バサッ)あ・・・!

八神 あ、雑誌が・・・。

綿谷 おっと・・・(グシャ)あ・・・!

八神 あ、献花が・・・。

綿谷 あぁもう邪魔!!!

八神 一番言っちゃダメなやつ!落ち着いて!

綿谷 これやっぱり邪魔ですね!これは邪魔!おちおち移動もできないくらいじゃないか!おっとと・・・。

八神 ここにたどり着くまでに充分わかってた事でしょうに。兎角凄い供え物だな・・・。

綿谷 足の踏み場もないじゃないかぁ!邪魔だなあ!

八神 まあまあ、落ち着いて・・・。

綿谷 って言うか、こんなにたくさん供えりゃあいいってものじゃないだろ!

八神 貴方もそのうちの一人になるっていう事実から目をそらさないように。

綿谷 って言うか、向こうの電柱の前ってゴミ捨て場ですよね!?

八神 え?・・・あ、本当だ・・・。

綿谷 ・・・ゴミと一緒にこの辺の物とかも何か持ってってくれないかなあ・・・。

八神 あんた失礼だな!確かにこれだけのものが道端に置いてあるのはとんでもないことかもしれないけど、真鍋の為の供え物だぜ!?

綿谷 え・・・?

八神 あんたこのお供えの意味分かってるのか!?真鍋の冥福を祈っている!それなのに・・・!それなのに!!

綿谷 ・・・す、すみません・・・そうですよね・・・倒しちゃったお供え物直さないと・・・。

八神 ・・・俺も言い過ぎましたね。手伝いますよ。

綿谷 あ、ありがとうございます!っていうか、少しこのお供えも少し塀に寄せませんか?

八神 そうですね・・・このままだとこのお供え物が邪魔で新しい事故が起きそうだ。

綿谷 はみ出すのは車線だけってね。真鍋のごとく。

八神 全然上手くねえうえで不謹慎なんだよ!

綿谷 取りあえずこれを動かしましょうか。

八神 そうですね。この花束も少しどかしましょうか。

綿谷 はい!いい香りだ・・・後これも、ビール瓶っと。

八神 よいせっと・・・ビールも1ダースか・・・。

綿谷 えーっと、邪魔になりそうなものは・・・ドラムセット!こいつを!

八神 ・・・このドラムセット・・・確かあいつが高校の時に使ってた・・・!

綿谷 そうなんですか?大学の時もこのセットを愛用していたんですよ!

八神 へぇ〜・・・よっぽど愛着があったんだろうな・・・ふ〜ん・・・。

綿谷 そうですね・・・あいつの刻むリズムは正確で、ベーシストとしてはやりやすかったです。

八神 へぇ〜・・・俺はギターをやってたんですよ。もうやってないけど・・・。

綿谷 そうなんですか!?今度一緒にセッションしましょうよ!

八神 え?でも・・・。

綿谷 実は僕の組んだバンドのメンバー皆死んじゃってるんです!真鍋に始まり、ギターの辻田、ボーカルの山尾も皆あの世に逝ったわけですから!メンバーは空いていますよ!

八神 入りくねえわそんなバンド!!根拠はねえけど俺の命も危なさそうじゃないか!!

綿谷 僕が死神かもしれませんねえ・・・。

八神 貴方に会ったのをこんなに後悔するとは思わなかったぞ・・・。

綿谷 真鍋くんの命日が運命の日になるなんてねえ。

八神 不謹慎が固まってできたのか?

綿谷 さあ、もうちょっとどかしましょう!

八神 は、はい・・・。

綿谷 じゃあ、そこにあるブラウン管テレビ持ってきますね。

八神 ・・・やっぱこれ不法投棄だよ!

綿谷 え!?これお供え物じゃないんですか!?

八神 流石にこれは目をつぶれねえわ!百歩譲ってドラムセットはいいにしたけど、これはあかんわ!

綿谷 じゃあ、こっちにある車のバッテリーと電子レンジと冷蔵庫もそうですかね?

八神 完全に粗大ゴミじゃねえか!!あいつゴミを供えられてるんだから嫌われてたんじゃねえか!?

綿谷 まあ、彼の思い入れのあった冷蔵庫だったらお供えしておいてもいいんじゃないですかね?

八神 じゃあ逆に聞くけど、あいつが世界で1番思い入れのあったものが車だったら置きっぱなしにしていいのかよ!?

綿谷 でも、車はあの事故で廃車になったからなあ。

八神 だから不謹慎なんだって!

綿谷 でも、僕はこの事故を風化させたくない!

八神 もう忘れようがないっちゃないけどな・・・朝っぱらから全然知らない人と廃品を運んだんだから・・・。

綿谷 (キキードカーン!)あ、路上の炊飯器に車が突っ込んだ・・・。

八神 ぎゃあ!新たな事故が勃発!!

綿谷 ・・・これでさらにお供え物が増えますね。

八神 お前もう地獄に堕ちろ!









カッターズ/面接


竹下 どうも!カッターズです!竹下です!

辻田 辻田と言います。生きてます。

山尾 山尾です!よろしくっす!

竹下 僕たち三人でやってるわけなんですが、アルバイトをしないとまだまだ食べていけないですよね。

辻田 確かにそうですね。この仕事だけで食べていける余裕がないです。

山尾 そうなんだよな〜!なんか一気にどか〜んと金が入るうまい話はないもんかね〜!?

竹下 う〜ん、中々難しい話だ。

辻田 提案としては、メンバーを二人に減らして、一人当たりのギャラを増やすっていう案が閃きましたけどどうでしょう?

竹下 それは本当に最後の手段だ!少なくとも舞台上に出しちゃいけない話題だって!

山尾 俺は反対だなー!三人でやるの賑やかで楽しいし、もっとメンバーが増えてもいいと思ってるけど!

竹下 真っ向から対立する意見をぶち込んでくるなよ!賑やかにはなるだろうけど一人当たりのギャラは減る一方だわ!

辻田 しかも、ネタ打ちをやるのにメンバー全員揃うのも難しくなる可能性があるから、アルバイトに入れる日も減るだろうし、より生活は困窮するでしょう。

竹下 反対意見がリアル過ぎて辛い!とにかく、このままだとお金がないから、三人ともアルバイトをしているわけですよ。

辻田 ただ、僕は今よりももう少し時給のいいアルバイトを始めようと思ってるんですよね。

山尾 なるほど!じゃあ、今日は練習がてら俺が店長を務める店に面接に来てくれ!

辻田 嫌だ。

竹下 早っ!会話のキャッチアンドリリース!

辻田 だって、この店長のもとで働くと思うと時給1200円超えてても嫌ですよ。世も不況なり。

竹下 そこまで拒否るか!?相当の肉体労働レベルの負担がかかる存在ってことになるけど!

山尾 でも、俺はその辺の面接事情に詳しいから店長は120%なり切れると思うぜ!

竹下 大体面接事情って何すか?

山尾 俺は今アルバイトをしている工場に勤めるまでに10回の面接を経験しているから、どんなやつが落ちるかって言うのがすぐに分かるんだよ!

辻田 ただ単に9回も面接落ちてるだけじゃないですか。2回目以降に落ちた経験がまるで活かされていない。

竹下 まあ、場数は踏んでいるのは確かだ・・・とりあえず練習だと思ってやってみれば?

辻田 仕方ない・・・じゃあやらせてもらいますよ。

山尾 おう!じゃあ、事務所に入ってくるところからスタートだ!





辻田 よーし、何の店か分からないけど面接を受けるぞー。

竹下 もうちょっとやる気出せや!業種くらい分かってる体で頼むわ!

辻田 ここか事務所かー。よーし、入るぞー。コンコン

山尾 お!?狐の鳴きマネか!?

辻田 帰ります。

竹下 帰るな帰るな!!確かに今の小賢しかったけど!

山尾 な〜んちゃって!冗談冗談!!ドアをノックした音だったんだろ!?分かってますよそれぐらい!!

辻田 失礼します。お互いに。

竹下 お互いにって・・・双方自分の立場が分かってないな。山尾店長浮かれ過ぎ。

山尾 では、早速面接を始めよう!辻田君だよね?席に座ってください。

辻田 失礼します。お互いに。

竹下 そこは一方的に失礼な感じになってるぞ!?

山尾 じゃあ面接の前に、履歴書を出してください。無きゃないでいいです。

竹下 無くていい筈がねえよ!店側もう少し興味持てや!

辻田 持ってきたけどあえて出さないって言うのはありですか?

竹下 書いてきたなら出せよ!なんだその秘密主義!?

辻田 お願いします。(履歴書を渡す)

山尾 お、じゃあもらおうか。(履歴書を受け取る)

竹下 じゃあもらおうって何だよ・・・?

山尾 さて、辻田岳くん・・・21歳・・・なるほどね。(履歴書をシュレッダーにかける)

竹下 本当に要らなかったのか!?名前と年齢しか分かってない状態で進めて大丈夫!?

山尾 さて、辻田君はどんな理由でこの店で働こうと思ったのかな?

辻田 家から近いって言うのと、時給がいいからです。

山尾 む!そんな安直な理由で・・・

辻田 というのも、時間を効率的に使いたいと思っています。通勤時間を短くするのは最適な手段だとは思います。

山尾 お、おう。

辻田 下手に電車での通勤となると、電車代がかかって今います。御社の求人広告には「交通費支給」と記載されていますが、1円でも御社の経費削減に貢献しようと思っています。

山尾 ・・・。

辻田 また、時給の良さは御社の経営の良さをうかがい知れると思います。この不況の世の中で他店と比べてかなりいい時給なので、将来的にも成長が見込めると思いました。

山尾 ・・・採用!

竹下 面接が雑すぎるだろ!なんかしらの理由をつけて受けてくるからな!?

山尾 いや〜、今年最大に感動したわ〜!

竹下 まだ始まって10日しか経って無いからだと思うな。

辻田 ちょろい店長だぜ。

竹下 確かにこんな店長だったらちょろいけどね!店長もう少し聞くことあるでしょうが!

山尾 聞きたいことは履歴書に書いてあるから大丈夫だぜ!

竹下 ・・・その履歴書はもう切り刻まれちゃってるからな!?店長の手によって!

辻田 こういう時は、何か資格があるかどうかとかを聞いたほうがいいと思います。

山尾 あ!そうだ!

竹下 面接相手のペースに巻き込まれてる時点で店長の資格はないな。

山尾 じゃあ、辻田君は何か資格はありますか?

辻田 普通自動車、普通自動二輪車・・・あと、フォークリフトの免許を持ってます。

山尾 なるほど。

辻田 あと、全国ペン硬筆検定試験の上級の資格を持っています。

山尾 採用!

竹下 どこに食いついた!?ボールペンで文字を書くのが上手いってだけだろ!?

辻田 あと、pixivでフォロワーが250人います。

山尾 じゃあ、この契約書に署名と印鑑を・・・。

竹下 何なんだよこの店長!?

山尾 早くその達筆を魅せてくれ!そして印鑑も赤ペンで描いてくれ!

竹下 それ印鑑の意味ねえよ!ここぞとばかりに達筆とイラストの腕を見ようとするな!店長しっかり!

辻田 なんだよ、僕と店長どっちの方を持つんだよ?

竹下 そういう意味じゃなくてさあ・・・辻田さん的にもこの状況下で採用されても若干不安じゃない?

辻田 ・・・まあ、この店長が店を仕切る店の将来は不安に思える。

竹下 さっき将来性を感じるって言ったじゃないか。

山尾 俺は漫才師としての将来も不安に感じているぞ!

竹下 だからそういうこと楽屋で言えや!っていうか面接続けろ!

山尾 他に何を聞けばいいんだよ?

竹下 面接の達人じゃなかったのかよ・・・じゃあ逆に、面接を受けた人から質問を聞いたりとか。

山尾 あぁ〜、なるほど!え〜最後に辻田君から何か聞きたいことはありますか?電話越しで。

竹下 二度手間なんだよ!何で電話を介する必要があるのさ!?子供電話相談室じゃないんだから!

辻田 地球はどうして青いんですか?

竹下 そっちに寄っちゃった!店長に聞くことじゃねえよ!

山尾 今日のラッキーカラー?

竹下 日によって変わる筈がねえ!

辻田 赤ちゃんはどうやって生まれてくるんですか?

山尾 俺が聞きたいくらいだよ。

竹下 知らねえのかよ!って言うか質問する側もする側だってば!店についての質問をぜひ!!

辻田 じゃあ・・・御社は何をしてる会社ですか?

竹下 ここで聞くかぁ!?確かに未だに職種不明だけど!

山尾 まあ、引っ越し屋って想像以上に体動かすから頑張りましょう!

竹下 達筆とイラスト関係ねえ!いい加減にしろ!

三人 どうもカッターズでした。



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