カッターズ/アパート
（ガチャ） | 山尾 こっちがリビングだ！ 竹下 へぇ〜！結構広・・・ 辻田 10畳だっけ？ 山尾 いや、8畳間だけど。 辻田 その割には広く見えるよな。 山尾 まあ、物をあんまり置いてないからそう見えるのかもな！ 辻田 でも、日当たりもよくて、駅からも近いもんな。相変わらずいい部屋だよな。 山尾 あれ！？辻田って俺の部屋来たことあったっけ？ 辻田 確か半年前くらいに来たよ。ほら、確か鈴木と。 山尾 あぁ〜！そうだった！鈴木連絡とれないけど何やってんだろうな〜・・・。 辻田 竹下は山尾の家はじめてくるんだよな？ 竹下 何だよこの部屋！？ 山尾 ・・・え？ 辻田 ど、どうしたんだよ・・・？ 竹下 （壁を指さす） 山尾 （壁を見る） 竹下 ・・・なんだよこの穴・・・？ 辻田 ・・・穴。 山尾 おう！壁に空いた、穴。 竹下 ・・・だよね！？僕だけにしか見えてないとかじゃないよね！？この部屋のリビングの壁に穴空いてるよね！？ 辻田 見りゃあわかるだろ。 山尾 うん。 竹下 いやいや！なんで！？なんでその件ノータッチなの！？ 山尾 いやいや、こんな穴くらい気にしなくていいだろ？ 竹下 （両手を広げて頭上に上げ、横に下ろす） 辻田 ・・・？ 竹下 こんだけでかいんだぞ！？気にするしないの問題じゃなくね！？え！？何これ！？ 山尾 ・・・やっぱり気になっちゃうか・・・。 竹下 気にするなっていうほうが無理だろ！？なんで！？この穴いつあいたの！？ 山尾 俺がここに引っ越してきた時・・・っていうか、引っ越す前に不動産屋に案内された時には空いていた。 竹下 ・・・穴があいているのを分かった上で契約して引っ越したの！？何やってんの！？ 山尾 引越しをする少し前だったか・・・俺が前に勤めてた会社が倒産したのは。 竹下 ・・・あぁ、そうだったよね。 山尾 安月給だった上に、貯金も満足にしていなかったから、俺はとにかく家賃の安い家を探していたんだ。不動産屋にも言ったんだ。「とにかく条件は安ければ安いほどいい」って。 竹下 最低限に抑えたのな。 山尾 そうしたら、この部屋を紹介された。風呂トイレ別、エアコン付、収納スペースあり、駅から徒歩5分、日当たり良好。ただ、壁にでかい穴が開いています。 竹下 条件にそれが入ってたのかよ！？ 山尾 まあ、最初は事故物件かなんかだと思ってビビったんだけど、そういうことでもないらしかったからここに決めたんだ。 竹下 すでに事故が起きてるぞ！？っていうか辻田は知ってたのこのこと！？ 辻田 え？引っ越したことは知ってたし、さっきも言ったけど鈴木と一緒に半年前に来たよ。 山尾 あいつと連絡取れないよな〜・・・竹下は鈴木と最近会った？ 竹下 いや、会ってないよ・・・って言うか今は鈴木の話どうでもよくない！？ 辻田 まあ、便りがないのは良い便りなんて言うしな。（ピリリリリ・・・）あれ？電話だ。ごめん、ちょっと。 （辻田、退場） 竹下 ・・・。 山尾 そんなに壁の穴が気になる？ 竹下 いや〜・・・気になるだろこれ・・・たぶん全人類が気にするよこれ・・・辻田も最初来たとき驚いてたんじゃないの？ 山尾 まあ、ちょっと驚いてたけど、すぐに気にならなくなったぞ。 竹下 僕が気にしすぎなのかなぁ・・・。 山尾 ただ、鈴木はめちゃくちゃ気にしてたけどな。 竹下 やっぱりそうだよな！？普通気にするよな！ 山尾 不動産屋にも1LDKHって言われたからな。 竹下 ・・・H？ 山尾 ホールのこと。 竹下 条件として推してたんだ！何だそれ！？ 山尾 まあ、どんな部屋にも必ずといって良いほど気になるところってあるもんだろ？ 竹下 そりゃあそうだけどさ・・・って言うかマジでこの穴何なんだ？施工ミスとかいう次元の話じゃないし、何かしら事情があってこの状態なんだろうけど・・・。 山尾 俺も不動産屋には穴の出来た原因とか何の穴なのかは聞いていないんだけどな。ただ、契約する時にこの穴には絶対に入らないって言う誓約書にサインはしたぞ。 竹下 え！？ （辻田、登場） 辻田 ごめんごめん、休みだってのに職場から連絡来ちゃって。 山尾 おう！不動産屋も忙しいみたいだな。 辻田 まあ、暇してるよりありがたいけどな。それにしても大きな穴だよな。 竹下 穴に近づくなぁあ！！！！ 辻田 （ビクッ！） 山尾 ど、どうした竹下！？ 竹下 いや絶対近づいちゃダメだろ！もっと二人とも穴から離れろよ！ 辻田 どうしたんだよ急に？何かあったの？ 山尾 いや、別に何も・・・。 竹下 何もじゃねえよ！絶対これやばい穴だって！！誓約書にサインさせられてんだろ！？入ったら絶対やばいんだって！ 山尾 そんなことないって！考えすぎだよ！ただ、「穴に入ったことによる事故、災害、怪我等に関して一切責任を負いません」って書いてあったけど。 竹下 完全にいわくつきじゃねえか！そういういうことが起こりかねないって事だろ！？ 山尾 まあまあ、お茶でも淹れるからちょっと待っててくれ！落ち着くぞ。 （山尾、退場） 竹下 ・・・辻田、僕は考えすぎかな？ 辻田 まあ、本人が気にしていない上で、誓約を守っている以上僕らがとやかく言っても仕方ないんじゃないかな。 竹下 ・・・ってか、辻田って不動産屋で働いてるんだよな？こういう物件ってあるの？ 辻田 滅多にないよ。 竹下 ・・・滅多にって事は極稀にあるのかよ！ 辻田 あるある。でもまさか、山尾がこの部屋に当たるとはねぇ〜・・・・ 竹下 え？何お前の会社が貸してる部屋なの！？ 辻田 表に入居者募集の看板あったしな。うちの営業所でも噂になってるよ。 竹下 マジかよ！？・・・山尾はそのこと知ってるの？ 辻田 僕がその会社に勤めているのは知っているけど、この部屋が営業所で話題になっているのは知らない。 竹下 へ、へぇ・・・でも、何でこの状態のまま貸し出してるんだ？穴に入っちゃいけないって言うのがどうも気になるけど・・・。 辻田 別に何もないらしいよ？ただ、前にこの部屋に来たときに鈴木が山尾に隠れて穴に入ってたな。 竹下 ！？ 辻田 その次の日から鈴木から連絡つかないんだよな・・・。 竹下 （山尾、登場） 山尾 ごめんごめん、コーヒーでよかった？ 竹下 僕もう帰るぅぅぅ！！！！ 山尾 わっ！！ 辻田 ！？ 山尾 どうしたんだよ！？ 竹下 この穴絶対やばいって！何かしら絶対あるって！山尾！引っ越したほうが良いよ！！ 山尾 はぁ。竹下は本当にこの穴が気になるんだな。入ってみるか？ 竹下 やだ！死にたくない！殺す気か！！ 山尾 拒絶具合が半端ないな！？何かあったの？ 辻田 ・・・山尾、実は前に僕と鈴木がこの部屋に来たとき、山尾に隠れて鈴木がこの穴に入ったんだ。 山尾 え！？そうだったのか？ 竹下 何でそれ言っちゃうの！？その後すぐに鈴木が連絡取れなくなったのに！！ 山尾 ・・・竹下、辻田・・・。 竹下 な、何だよ？ 山尾 砂糖とミルク、いる？ 辻田 あ、1つずつ。 竹下 何でだぁぁぁぁ！！何で普通の会話できるんだおまえらはぁぁぁ！！！ 山尾 っていうか、この穴に鈴木が入ったのと、連絡が取れなくなったのに何の関係があるんだよ？ 竹下 そ、それは・・・。 山尾 もしそうだったとしても、この穴を気にしなければ普通の生活が出来るんだから。お前も気にすんなよ？ 辻田 そうそう。家主が言うんだから大丈夫だって。 竹下 ・・・う、うん・・・でもさ・・・。 山尾 どうした？ 竹下 ・・・そういわれると、入ってみたくなってきたな。 山尾 ・・・え？ |
インタープラグ/野生の王国
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八神 ここは、アフリカ中央部、サバンナ。ライオンやゾウ、キリンといった野生動物たちの宝庫です。大小さまざまな生き物が生息しています。今日はこの動物にスポットを当ててみましょう。 綿谷 ・・・。 八神 綿谷です。アフリカの広い範囲に生息している、牛の仲間です。 綿谷 イー！！イー！！ 八神 牛の仲間では珍しい鳴き方をするのが特徴です。 綿谷 （ウロウロ） 八神 体長は2.5m、体重は100kg程になりますが、この個体はまだ成長途中の生き物です。その頭脳は、人間でいう小学校低学年ほどのものと言われています。 綿谷 はっ・・・！ 八神 おや、何かを見つけたようですね。 綿谷 （ブチッブチッ） 八神 綿谷は、他の牛と同じ様に草食です。1日に1トンから2トンの草を食べます。 綿谷 （もぐもぐ）・・・おえっ！！ 八神 ただ、草は全然好きではないのです。神の悪戯としか言えません。 綿谷 イー！！イー！！（ウロウロ） 八神 このため、水を大量に飲む必要があります。水場に移動するようです 綿谷 （ゴクゴクゴクゴク）・・・っぷはー！！ 八神 口の中の青臭さが無くなったようです。良かったですね。 綿谷 イー・・・。（ゴロン） 八神 眠りにつくようですね。綿谷は1日のうち10時間眠ると言われています。日中に5時間、夜間に5時間。 綿谷 スー・・・スー・・・。 八神 無防備です。このサバンナでは非常に危険な状態です。ほかの肉食動物の標的にされる可能性があります。 綿谷 スー・・・スー・・・。 八神 おや、奥の草むらからにライオンがいますね。目線の先には綿谷がいます。 綿谷 スー・・・スー・・・。 八神 この状況でも綿谷はライオンに気づいていません。この間にもライオンは綿谷にジリジリと迫っています。 綿谷 スー・・・んっ・・・！ 八神 おや、ここで気づきましたね。 綿谷 ・・・スー・・・。 八神 平気で二度寝をしています。大丈夫でしょうか。 綿谷 スー・・・スー・・・。 八神 いよいよ、ライオンが綿谷の射程距離に入りました。このまま食べられてしまうのでしょうか。 綿谷 ・・・。（ドスッ！！） 八神 あ！ライオンの腹部に強烈なボディブローを見舞いました。 綿谷 ・・・スー・・・。 八神 ライオンが恐れをなして逃げていきます。 綿谷 んあ・・・？い、イー・・・！ 八神 呑気に伸びをしています。実はこれ、綿谷の習性の1つなのです。 綿谷 イー・・・。 八神 眠る時間が長いために、眠りに就いた状態でも外敵から身を守れるよう、攻撃をすることができます。これを綿谷の睡拳と呼びます。 綿谷 ・・・おえっ！ 八神 寝起きに急に動いたので、胃がびっくりしたようです。 綿谷 いっ！ 八神 おや、再び何かを見つけたようですね。 綿谷 い、い、イー！！！ 八神 離れた場所に、メスの綿谷を見つけたようです。 綿谷 い・・・イイイ！ 八神 綿谷は基本的にこの季節が発情期です。しかし、オスはメスに気に入られる術をあまり持っていません。 綿谷 イ・・・イ・・・イイイーイ・イーイイ！！ 八神 このわたやも例外ではない模様。一体どうするのでしょうか。 綿谷 （トコトコ） 八神 あ、メスの綿谷に近づきましたね。 綿谷 僕と、お付き合いしませんか？ 八神 とても良い声で鳴きましたね。綿谷は発情期に宮野真守のようないい声を出すことで有名です。 綿谷 とりあえずお食事だけでも。僕、この先に美味しい草の生える草原を知っているんですけど、よかったら行きませんか？ 八神 いい鳴き声ですね。 綿谷 （トコトコ） 八神 メスへの求愛はうまくいったようですね。メスとともに餌場の草原にやってきました。 綿谷 おえっ！！ 八神 神の悪戯としか思えませんね。 綿谷 イー！ 八神 おや、威嚇の鳴き声を出しました。どうやら、別の綿谷のオスがメスを奪いにやってきたようです。 綿谷 イー！！ 八神 体格では後から来た綿谷の方が大きいです。こういう時、どのように対抗するのでしょうか。 綿谷 （ザッ ザッ） 八神 綿谷が前足を使って地面に線のようなものを描きました。一体これから何が始まるのでしょう。 綿谷 イッ！ 八神 線のところに、2匹のオスが並びました。 綿谷 イイイイイイ、イーイ・・・イッ！！（ダダダダダッ） 八神 実はこれ、オスがメスを取り合うときによく行われる勝負なんです。 綿谷 （ダダダダダダ・・・） 八神 綿谷のオスは、大きさや強さよりも、足の速いオスが魅力的だとされています。 綿谷 （ダダダダダダ・・・） 八神 この点も、頭脳が小学生並みと言えるかもしれません。 綿谷 （ダダダダダ・・・） 八神 ただ、この優劣を決める習性にはひとつ大きな欠点があります。 綿谷 （ダダダダダ・・・）はーっ・・・はーっ・・・。 八神 ゴール地点を決めていなかったようですね。 綿谷 はーっ・・・はーっ・・・イー！！ 八神 どうやら、勝敗を付けたようですね。 綿谷 イー！！ 八神 元いたオスが勝ったようですね。 綿谷 イイ！！ 八神 こうして、オスはメスにいいところをアピールすることができるのです。 綿谷 イイ〜！！ 八神 このあと、オスの巣穴にいき、繁殖活動を行うのです。 綿谷 （ゴソゴソ） 八神 それでは来週も野生の王国をお楽しみに。 綿谷 い・・・った |
バニーガール/電車でのマナー
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陽子 最近電車によく乗るんだけどね。 爽雄 電車ですか。まあ乗る機会は結構あったりするよな。 陽子 パンタグラフの点検をよくやってるのよ。 爽雄 あ、僕の思ってるのと違った。屋根の上に乗ってた。 陽子 その時乗車している人を窓から見るんだけどマナーの悪い人多いのよね。 爽雄 しかも走行中かよ。その状況で人のマナー気にしてるってどんな神経してんだよ。 陽子 優先席に平気で座る若者や、携帯電話で喋ってるおじさん。 爽雄 たまに見かけますね。 陽子 女子高生のお知りを触るおばさん。 爽雄 ない事例じゃないんだろうけどマナー云々かんぬんの問題じゃねえな。 陽子 外の景色を見て恐怖の表情を浮かべる皆さん。 爽雄 ・・・そりゃあそうだろうな。いきなり窓の上側から人の顔が出て来るんだもんな。 陽子 だから私はそういう人を見たら直接注意をしたいのよ！ 爽雄 まずお前がだいぶまちがった行為をしているんだからな？ 陽子 こういうときどうすればいいのかな？ 爽雄 点検は走行してないときにやるとして、乗客として電車内に乗る必要があるな。 陽子 な、なるほど！！ 爽雄 安いリアクションありがとうございます。 陽子 じゃあ私が電車で注意する人やるから、マナー違反なゴミ屑かす野郎をやって！ 爽雄 やりたかねぇ〜・・・。 陽子 「発車いたします、ご注意ください」（プシュー ガタンゴトン・・・ガタンゴトン・・・） 爽雄 あ、急に始まった。 陽子 よし、マナーの悪い人を注意するわよ！この私がいる限り、この世に悪は栄えな（ドンッ！）・・・あ、すみません運転手さん。 爽雄 ・・・ここ運転席か。何処に乗り込んじゃってくれてるんだよ。 陽子 え！？今の宣言車内にアナウンスされてた！？は、恥ずかしぃ〜・・・！！ 爽雄 1人で何やってんだお前。 陽子 （ガチャ）「ただいまの放送を聞いた乗客の皆様、絶対に忘れて口外することがないよう、ご協力お願いいたします」 爽雄 そのお願いに車内放送してんじゃねえよ。そして絶対口外されるわ。ツイッターとかで拡散されるわ。 陽子 「そして、先ほど車掌と衝突したため急ブレーキがかかったことを心よりお詫び申し上げます」（ガチャ） 爽雄 何してくれてんだよ。真っ先にそれを謝れよ。そういう次元の話でもねえけど。 陽子 これじゃあ私がマナー違反者になっちゃうわね・・・。 爽雄 今のところ走行中の電車の屋根の上に乗ったり、勝手に運転席に乗ったりでマナーどころか法律違反だわ。ちゃんと乗客が乗る車両に乗ってくれ。 陽子 分かりました！「発車いたします」（プシュー）あ、優先席に若者が座り、その目の前にお年寄りが立っている。 爽雄 （座る） 陽子 これは注意しなければ！しかし、何て言おうかしら。ここは、「そこのお兄さん、目の前にお年寄りが立っているのだから、席を替わりなさい！」これかしら？ 爽雄 （スマホを取り出す） 陽子 いや、頭ごなしに意見を言うのも良くないわね。替わりなさいなんていったら反感を買ってしまうだろうし。「そこのお兄さん、目の前にお年寄りが立っているのだから、席を替わってあげたらどうでしょう？」 爽雄 （パズドラを始める） 陽子 あ、そもそもお年寄りに対してお年寄りって言うのも良くないわね。ここはおじい様・・・いや、お婆さま？あれ？この人どっち？おじいさんだかおばあさんだか分からない！ 爽雄 （ガチャを回す） 陽子 はっ！わ、私も都市をとったらそのときの若者にお爺さんかお婆さんか分からないって思われてしまうのかしら！？それは嫌！おじいちゃんって呼ばれるなんて絶対に嫌！！！ 爽雄 ろくなのでねえな・・・。 陽子 あ、駅着いた！降りようっと。 爽雄 注意しろやぁ！！！！何を1人で長々喋ってんだよ！！頭おかしいの！？ 陽子 あ、えっと、急にそんな大声出したら周りの人に迷惑ですよ・・・？ 爽雄 そこじゃねえよ。大体お前の独り言も大概だったぞ。 陽子 じゃあおじいさんって呼ばれないようにするためにはどうすればいいのかしら・・・。 爽雄 何で席を譲らない人を注意するって話の終点がそこなんだよ。女性らしい格好を心がければ良いんじゃねえの？ 陽子 なるほど！それじゃあ解決だね！ 爽雄 今のでは無しを変えようとする傲慢さが嫌いだ・ 陽子 次は電話している人に注意をするのをやるから！電話をやってください！ 爽雄 無理無理無理。電話をしている人をやらせてくれ。 陽子 そんなにその人をやりたがるってどういうこと？ 爽雄 電話になれる気がしねえからだわ。別に好き好んでやってるわけじゃないから。 陽子 「発車いたします」（プシュー）あ、電車の中で通話をしているお兄さんがいる。 爽雄 もしもし？どうしたの？ 陽子 ・・・。 爽雄 うん、今向かってる。 陽子 ・・・。 爽雄 へ〜、お前もあの映画見たのか？面白かったでしょ？ 陽子 うん、とっても面白かった。 爽雄 それじゃあまた連絡するわ。 陽子 うん！体に気をつけてね〜！ 爽雄 あいあ〜い。（ピッ） 陽子 あ、駅着いた！降りようっと。 爽雄 今何が起こったんだよ！？途中からなぜ会話が成立した！？電話の声聞こえてたのか！？ 陽子 いや、あれは唐突に独り言を言ってしまって・・・。 爽雄 どんな独り言だよ！奇跡的な状況になったけどちゃんと注意をしろよ。 陽子 じゃあ痴漢をしている人を注意するから、痴漢やって？得意でしょ？ 爽雄 誤解を招く発言は勘弁してくれ。 陽子 「発車いたします」（プシュー） 爽雄 その件だけは忠実にやるよな。 陽子 今日は特に混んでいるなあ。あ、あのお兄さん変な動きしているわね。 爽雄 （キョロキョロ） 陽子 あ、その隣にはセクシーな女の人がいるわ。こんなに寒いのに薄着で胸元も開いているし、いつ襲われてもおかしくないわね。 爽雄 ・・・暑いわぁ〜・・・。 陽子 あ、その隣のおっさんは明らかにその女性を意識しないようにするもその体をちらちら見てしまっているわ。 爽雄 （チラチラ・・・）げ、げふん！ 陽子 あ、その隣では電話をしている若者がいる。 爽雄 もしもし〜、今どうしてる〜？ 陽子 あ、窓の外に電車の上から中を覗き込む人がいる。 爽雄 （コォォォォォォ・・・） 陽子 ・・・走行中に屋根の上乗ったら危ないよ！ 爽雄 痴漢の注意はどうした！大概にしろ。 二人 ありがとうございました。 |