今月のネタ
審査ペーパー
今月のネタ
カッターズ/ひきこもり
竹下 ガク・・・いつまで閉じこもっているの・・・?そろそろ、出てきなさい・・・。

山尾 (ピンポーン)すみませ〜ん・・・山尾ですが・・・。

竹下 あ、山尾先生・・・どうぞ上がって下さい・・・。

山尾 (ガチャ バタン)お邪魔します。

竹下 すみませんお忙しいのに来て頂いて・・・。

山尾 いえ、これも担任の役目ですので・・・それより、この部屋が・・・?

竹下 えぇ・・・もう1ヶ月もろくに部屋から出てこないんです・・・。

山尾 そうですか・・・こうなる前に私が気付けずに・・・申し訳ございません!

竹下 い、いえ!そんな頭を上げて下さい!

山尾 光男くんのお母さん、私に任せてください!必ずガクが学校に来られるようにしますので!

竹下 は、はい!

山尾 (コンコン)ガク、俺だ。担任の山尾だ。迎えに来たぞ。クラスのみんなも、お前が学校に来るのを待っている・・・だから、学校に来い!

竹下 ・・・。

山尾 心配しているのは俺だけじゃない!クラスのみんなも、他のクラスのみんなも、学校の他の先生も心配している!

竹下 ・・・。

山尾 それに、故郷のお前のお父さんやお母さんもこの事を知ったら悲しむんじゃないかな?

ガク Shut up! Return!

竹下 ガク・・・!

山尾 甘えてんじゃねえ!

竹下 !!

山尾 って言うかお前ふてぶてしいぞ!!

ガク !!

山尾 何ホームステイ先で引きこもってんだぁ!!

竹下 せ、先生!抑えて!

山尾 確かに言語や文化の壁を超えるのは難しいかもしれねえけどお前それは駄目だろ!!ルール違反だろ!!普通の引きこもりの方が何倍もましだぞ!!!

竹下 いや、引き籠り自体にいも悪いも無いんですけど・・・。

山尾 引き籠るなら祖国のイギリスでやれや!

竹下 根本的に解決になっていませんよ先生!

山尾 ガク・・・何か学校で辛いことがあったのか?言いづらいかもしれないけど、俺に話してくれないか?

ガク ・・・I’m tormented at school.

山尾 ・・・!・・・そうだったのか・・・!

ガク It`s sprinkled water to me in a restroom, and it is broken a note.

山尾 ・・・。

ガク I cannot say whom to be concrete. But I do not intend to go to school!

山尾 ・・・馬鹿野郎!!!

竹下 っ!

山尾 ・・・日本語で喋れや!!

竹下 !?

ガク !?

山尾 何言っているのか全っっっ然!!分からねえわ!!

竹下 いやいやいや先生!!さっき「そうだったのか」って言ったじゃないですか!

山尾 いや、ガクも鬱憤を吐き出せば日本語で喋ってくれると思ったんですが・・・。

竹下 あの、さわりの部分でも分からないんですか・・・?

山尾 いえ・・・私は見ての通り家庭科の教師でして、英語はちょっと・・・。

竹下 あ、担当教科家庭科だったんでしたね・・・熱量的に体育教師だと思ったんですが・・・。

山尾 いえいえ!家庭科教師が冷めていたら調理実習の料理も冷めてしまいますからね!!

ガク He is not interesting.

山尾 だから英語で喋るな!日本語で頼む!

竹下 いや、今のは何て言ったか何となくわかったんですけど・・・。

山尾 すごい!お母さん堪能ですね!

竹下 いやいや!先生は知識が足りなさすぎるんですよ・・・って言うかそんな話をしに来たんじゃないでしょうが!

山尾 そ、そうでした!兎に角、ガクと向かい合って話せば、言語の壁も乗り越えることが出来ると思うんです!お母さん、私に任せて下さい!

竹下 ・・・向かい合えてないですけどね!完全にドア隔てちゃってますけどね!

山尾 ガク、どうして学校に来ないんだ?日本語で頼む。

竹下 ・・・。

ガク Well…Japanese…アノ、僕ハ、学校デ、イジメニ、遭ッテイマス・・・!

山尾 いじめ・・・いじめだと!?

竹下 そうなの!?ガク!

ガク トイレデ、水ヲ掛ケラレタリ、ノートヲ破カレタリシマス。止メテト言ッテモ止マリマセンデシタ・・・。

山尾 ・・・。

竹下 そ、そんなことが・・・!

ガク 具体的ニ誰ニヤラレタトカハ言エマセン・・・デモ、僕ハモウ学校ニ行キタクアリマセン!

山尾 馬鹿野郎!!

竹下 !・・・え!?今のは何で!?

山尾 流暢に喋れ!!

竹下 !?

ガク ・・・マジデ・・・?

竹下 いやいやいやいや!!実情は分かったでしょ先生!って言うかその要求はむちゃくちゃじゃないですか!?

山尾 いや、正直カタコトが過ぎて何言ってるのか分からなかったです。

竹下 それはもう先生の耳に問題あるでしょ!?ガクは言語の壁充分越えていると思うんですけど!?

山尾 それでも私のヒアリングと言う壁を越えるには至っていません。

竹下 壊せ!その壁ブチ壊せ!!

ガク ブチ壊セ!

山尾 何か言ったか!?

竹下 今の一言も聞きとれてないんですか!?

山尾 ガク、お前がよく読んでいた「声に出して読みたい読みたい日本語」はこういう時の為の本だろうが!

竹下 絶対違う!日本語教材本ではないから!!

ガク ・・・僕は、学校でいじめに遭っています。

竹下 流暢に喋った!すごっ!

山尾 最初からそうやって喋れ白人風情が。

竹下 鬼畜かてめえ!

ガク トイレで、水を掛けられたり、ノートを破かれたりします。止めて言っても止まりませんでした・・・。

山尾 そんな事があったのか・・・!

竹下 いや言うの事態は3回目なんですけど。

ガク 具体的に誰にやられたとかは言えません・・・でも、僕はもう学校に行きたくありません!

山尾 馬鹿野郎!!

竹下 今度はなに!?

山尾 あ、すみません、私は何の前触れもなく馬鹿野郎って叫んでしまうっていう癖があるんです。

竹下 最悪!これまでの件もあるし輪をかけてひどい癖!!

ガク 最低!

山尾 だからなんて言っているんだ!

竹下 もう聞く気ないでしょ!?明確に罵倒されたのに!

山尾 なあ、ガク。お前の辛い気持はよく分かる。だがな、誰にやられたかって言うのが分からなければ、先生としても解決のしようがないんだ。

竹下 そ、それもそうよ・・・ねえガク、私達にだけでいい。あなたにそんな事をする子を教えてくれないかしら?

山尾 そいつをとっちめてギッタギタにしてやる!な!?

ガク ・・・本当に?

山尾 ああ!本当だ!

ガク ・・・光男・・・竹下光男にやられた・・・。

竹下 え?

山尾 ・・・光男くんって、今塾に行ってるんでしたっけ?









(ガチャ バタン 「ただいま〜」)





インタープラグ/リア充は駆逐
綿谷 星浜までお願いします。

八神 わ、分かりました。それでは発車いたします。(ブーン・・・)

綿谷 ・・・はあ・・・。

八神 ・・・じー・・・。

綿谷 ・・・あ、あの・・・。

八神 あ、すみません!・・・お、お客様・・・ラジオか何か聞かれますか?

綿谷 い、いえ・・・大丈夫です。

八神 ・・・そ、そうでしたか・・・。

綿谷 ・・・あ、う、運転手さん!!

八神 え?・・・わっ!!!(キキーッ!)

綿谷 っ・・・!!び、ビックリした・・・!信号赤でしたよ!!危うくぶつかる所だった・・・!

八神 す、すみません!!

綿谷 い、いえ・・・あの、運転手さん・・・どうかなさったんですか?

八神 な、何でもないです!・・・じー・・・。

綿谷 そ、そんなことないでしょう?ルームミラー越しにずっと私の事を見ているじゃないですか。

八神 そ、それは・・・!

綿谷 実際に人を見る時に口で「じー」って言う人初めて見ましたよ・・・それより、何か気になる事とかあるんでしょう・・・?

八神 ・・・お客様・・・こんな話をご存知ですか?あるタクシードライバーが、人気のない道を走っていると、髪の長い女性がそのタクシーを止めたそうです。

綿谷 はぁ。

八神 ドライバーが彼女を車に乗せ行き先を聞くと、夏島樹海と答えたんですね。

綿谷 そ、それって・・・。

八神 ええ。自殺の名所として有名な樹海です。ドライバーは気味が悪いと思ったんですが、お客さんの言う事だし、夏島樹海に向かって出発したんですね。その後、彼女は一言も口を聞かずにずっと俯いたままなんです。

綿谷 ・・・。

八神 暫く走って、その樹海の入り口についた時、彼女に声をかけようと振り返ると、その人いなくなってるんですよ。

綿谷 ・・・。

八神 あれっと思っていると車の外から「見つけてくれてありがとう・・・」と言う声がして・・・振り返ったら・・・目の前の木に・・・女の人が・・・首を・・・!

二人 いやぁぁぁぁ!!!

八神 ・・・と、言うわけですが・・・。

綿谷 何で運転手さんまで叫んだの!?自分で話していたくせに!

八神 と、兎に角、この話を聞いて以来、私は人気のない所でこのタクシーをとめた女性のお客様が・・・怖くて怖くて・・・。

綿谷 いやいやいや・・・私別にお化けじゃないですからね!?

八神 ふっ・・・そう言って私を油断させる気ですね・・・そうはいきませんよ・・・。

綿谷 そんなんじゃないんですけど・・・って言うか、私が行きたいのは樹海じゃなくて星浜なんですけど!

八神 星浜・・・そ、そう言えばそこって古くからの霊園があったような・・・!

綿谷 ・・・確かにあったような・・・いや!そう言えばありますけど別にそこを目的地としているわけじゃないですからね!?

八神 そ、それにその星浜の街の駅から電車で1時間で夏島樹海に着くじゃないですか・・・!

綿谷 こじ付けにもほどがあるわね!?大体終電が無くて困ってたからタクシー拾ったんですよ!?

八神 そ、そうでしたか・・・そ、それにしてもこんな時間に1人だなんて何かあったんですか?

綿谷 え?・・・べ、別になにも・・・?

八神 ・・・恋人に、振られてしまったとか?

綿谷 ・・・!

八神 ・・・悲しみに耐えられなくなってしまったとか?

綿谷 ・・・あの、実は私・・・

八神 それで首つりをしようと思うとか?

綿谷 え?

八神 それで、その死に場所を探そうとしているとか?

綿谷 してないですよ!自殺に話をもってこうとしないで!

八神 じゃあ、どうして星浜に?

綿谷 ・・・さっき、運転手さんが言ったように、私、恋人に振られてしまったんです・・・。

八神 ・・・そう、なんですか。

綿谷 タカシと・・・彼と初めて出会った星浜に、行きたくなったんです・・・。

八神 ・・・お客さん、それ、死にに行くようなものですよ。

綿谷 何ちゅうこというんですか!死なないから!失恋で死ぬほどやわじゃないから!

八神 いーや、わかりませんよ?星浜に到着した瞬間、彼との思い出がフラッシュバックし、楽しかったこと、うれしかったことが脳内を駆け巡るが、それはすでに過去のこと、もう取り返せないこと!

綿谷 やめて!死ぬ気なかったのにその現実を突き付けて来られたら死にたくなる!

八神 死ぬな!

綿谷 じゃああんたしゃべるな!!死にたくなる!

八神 ・・・わかりました。

綿谷 ・・・。

八神 ・・・

二人 ・・・。

綿谷 あ・・・あの・・・しゃべってください・・・。

八神 え?で、でも・・・

綿谷 ・・・勝手なこと言ってすみません・・・でも、運転手さんと話していると・・・何ていうか、悲しい気持ちを忘れらたんです・・・もう少し、おしゃべりさせていただいていいですか・・・?

八神 ・・・わかりました・・・えっと・・・何の話をすればいいでしょうね・・・いざ何かを話すとなると難しいな・・・。

綿谷 あ、そ、そうですよね・・・でしたら、運転手さんの最近あったことだったり、家族のことだったり・・・なんでもいいんです。

八神 そうですね・・・実は私、会社を首になってこの仕事始めたんですよね。

綿谷 え?そうだったんですか?

八神 ええ。と言うのも、会社の大きな取引のミスの濡れ衣を着せられてしまいまして・・・。

綿谷 はあ・・・。

八神 莫大な借金も抱えてしまい、女房は子供を連れて出て行ってしまい、すんでいた家も家賃が払えず、会社で寝泊まりしている状態でして・・・。

綿谷 ・・・。

八神 それから、2日前からほとんど何も食べてなくて・・・

綿谷 何で死のうとしないのぉ!!?

八神 えぇ!?

綿谷 そんなに追い詰められているのに死のうとしないのは何でなの!?

八神 いや・・・死んじゃったら終わりじゃないですか・・・。

綿谷 もうほとんど終わりじゃない!!お金も地位も名誉も家族も何もないじゃない!!もうどうしようもないじゃん!!

八神 そんなこと言わないで!俺だって一生懸命生きてるんだから!何とか逆転狙ってるんだから!

綿谷 無理無理!そんなこと絶対無理だから!死ね!

八神 そこまで言われる!?何でそうなる!?ほら!これ見てくださいよ!宝くじも買ったし!

綿谷 あーもう駄目だこの人!絶対に人生奈落の底に転落するわ!

八神 うるせえなこの!!お前さっき振られてめそめそ泣いてたじゃねえか!!

綿谷 なんかもうそれもどうでもよくなっちゃった!振られたのとあんたのここ最近の不幸ぶりと比べるとどうでもよくなったわ!

八神 ひでえなこの女!!振られたのをちょっとでも同情したのをものすごく後悔してるわ!

綿谷 あー!自分より下な人がいるのがこんなに嬉しいことだって思わなかった!

八神 屑が!この屑!!(キキッ)おらぁ着いたぞ馬鹿野郎!!

綿谷 あ、ちゃんと運転はしてた。

八神 2800円だ馬鹿野郎!

綿谷 じゃあ5000円で。あ、お釣りはいらないから。

八神 うっわ完全に下に見てるなこの人!

綿谷 (ガチャ)それじゃあ借金返し頑張って・・・あ・・・!

八神 ・・・どうされました?

綿谷 タカシ・・・どうしてここに・・・?

八神 え・・・あそこにいるの、さっき言ってた彼氏さん・・・?

綿谷 ・・・私のことを思ってここに来たの・・・?本当に・・・?わ、私も・・・私もまだあなたのことが・・・!タカシー!!(ダッ)

八神 ・・・。(ブーン ガツンッ!!)

綿谷 ぐはっ!

八神 ・・・リア充は駆逐。





Bさわ/花
花屋の店先に並んだ、色んな花を見ていました。
人それぞれ好みはあるけれど、どれもみんな綺麗でした。

ああ、このコチョウランは気品があって綺麗だな。
こっちのガーベラも色とりどりで見てて飽きないな。
どの花が一番綺麗なんだろうな・・・一番人気の花がどれなのか、店員さんに聞いてみようか。

でも、僕はそれをしなかった。
花を見ているうちに思ったんです。





花たちは、この中でどれが一番かなんて争うこともしていません。
バケツの中で誇らしげに、しゃんと胸を張っています。



この、1本の花を除いては。



ん・・・?・・・この花・・・完全に枯れてねえか?
何だろう・・・僕は花の種類には疎いけれど、これは元気ねえよ・・・。
花って、普通生命力あふれてたり、色合いが鮮やかだったりするだろ・・・。

絶対最初からこの色の花なわけないだろ・・・。
花の色がすげえ色だもん。
腐った後だもん。腐りかけとかじゃなくて腐ってるだろこの色合いは・・・。

少し、触ってみたけど、ぶよぶよだもん。
茎とか葉って言う概念がねえのかよこれ。

しかも、触ったら手が湿ったしちょっと臭くなったし・・・。
少しの振動で、ひしゃげてしまいそうな弱々しさ・・・というか、だらしなさがありました。

例えば、人間だったら、体内に酸素を取り込むために呼吸をするけれど、この花にはそういう生命維持の意思を感じることが出来ませんでした。
まあ、花に意思があるかなんて分からないけれど。

隣で咲く鮮やかなバラやユリとは明らかに見劣りしていました。



ああ・・・人間は、どうしてこう比べたがってしまうんでしょう。
ひとりひとり違うのにその中で1番になりたがってしまうのです。

花も然り。
従来、順位をつけるようなものではないのは重々分かっています。
それなのに、それなのに。

僕はこの醜い花を最下位だと思いました。
何千何万とある花の中で、まだ見たことのない花がある中で、ぶっちぎりの最下位だと。
都道府県で言えば、茨城県だ。




気がつくと、その花を買って家に帰っていました。
店員さんも会計するとき、ぎょっとした顔をしていた気がしましたが。





困ったように笑いながら、本当にこの花を売って良いのかと迷っているようでした。
他の人は絶対に選ばないようなチョイスをしたわけだらから、仕方ないですね。

「本当に良いんですか?」

この台詞、店員さんに声をかけてから花を植木鉢に移してもらい、持ち帰るように包んでもらって渡してもらうまでに8回は聞かれました。
引き返すチャンスはこれだけあったのに、結局僕はお会計で300円を渡してしまいました。
安いと思われたかもしれないけれど、見た目ゴミなんだからお金をもらっても断る人のほうが多いと思います。





名前さえ知らない買ったけれど、何故かその腐りかけの花を見ると、変な可笑しみがこみ上げてきました。
誰にも気づかれないような場所で咲いていたとしても、花と認識されないような見た目なのに。

花のことを詳しく聞いておきました。
この植物の名前は、マジイソウ。
名前の由来は諸説ありますが、「不味い草」が訛って「まじい草」、「マジイソウ」になったそうです。

育て方のコツは、とにかく花の状態を察知すること。

水を大量にほしがる日もあれば、1滴でも欲しがらない場合もあり、陽の光を拒むかと思えば、夜に電気スタンドの光に向かって伸びようとすることもあるそうです。

帰ってみてから早速水を与えました。
とりあえず、ペットボトル1本分くらい。
すると、見る見るうちに水は植木の土に吸い込まれていきました。
今日は水を多めにあげたほうが良いと思い、もう1本分与えました。

2回目の水は決して土を染みることはなく、植木からあふれ、机の上にこぼれました。
更に言えば、1回目の水が植木鉢の下から漏れているのが分かりました。
その証拠に、土はカラカラになっています。

何だこの花?
潰すか?燃やすか?
何で1回フェイントかけた?

机と床を拭きながら怒りに打ち震えました。

今度は、日当たりを求めているのかどうかを見極めることにしました。
1回、窓際の日当たりの良いところにおいてみました。

すると、瞬く間にぐちゃぐちゃだった花は、カラカラに干からびていきました。
慌てて水をやると、またしても床がぬれるだけでした。

この花はいったい何なんだ。
人の恩威を無碍にしやがって。

・・いや、待てよ・・・もしかしたら、このカラカラに干からびた状態がこのマジイソウの本来の姿なのかもしれないな・・・。

とりあえず1日このまま放置してみよう。




次の日。

相変わらずいい天気でした。
リビングの窓際に置いたはずのマジイソウは、台所で見つかりました。

怖いよなんだよこれ。
ってか、よく見たら昨日の付け置きのな鍋に根っこ伸ばしてるし。
やっぱり水欲しかったんじゃねえか。

またしてもぐちゃぐちゃになったその花をつまみあげ、植木鉢に戻し、床を掃除しました。
こうまでして世話をしないといけない花・・・。

これは、言ってみれば植物版のかまってくん、ただ反抗したいだけの厨二病のどうしようもない花なのでした。





窓際に戻し、水をやりながら、このマジイソウが今日までよく種が途絶えなかったなと変に感心してしまいました。



その時、はっとしました。

この花は、このマジイソウはこうやって世話を妬いてくれるほかの生物を探し、120%依存しているんだということを。

言ってみれば、この種類の花の特性、つまり、世界に一つだけの花・・・。
この花は、自分を咲かせることだけに、一生懸命に生きることを怠けているんです。


言い換えれば、人間でもそうなのかもしれない。
どんなにごみみたいなやつでも、見た目が汚らわしくても、自分では何も出来ないうえに、人の厚意を無碍にしても、言動が厨二病でも・
きっと世話を焼いてくれる人が現れる。その人に一生懸命甘えて生きれば良い。

小さい花や大きな花 一つとして同じものはないから
No.1にならなくても良い もともと特別なOnly One














(ガチャン)

人間がそんなわけあるか。あーあ・・・。

植木鉢を叩き割った僕は、職安に向かいました。


オンリーワンだろうが駿河湾だろうが、働かないといけないから、人間は花じゃないんだなよな。あ〜あ・・・。










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