Bさわ/置手紙
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あの日の夜、19時ごろだったでしょうか。 そっと、部屋の電気をつけると、机の上に1枚の紙の切れ端が置いてあるのに気がつきました。 綺麗に整理された部屋の中、その紙だけが存在を主張するように、無造作にそこにある。 何となく、不審に思いそれを手に取ると、女性が書いたであろう文字で、こう書いてありました。 「貴樹さんへ。 あなたのことは今でも好きです。 でも私たちはきっと 1000回もメールをやりとりして、 たぶん心は1センチくらいしか 近づけませんでした。 私は、この部屋を出ていきます。さようなら。」 読み終えた瞬間、膝から、崩れ落ちました。 体が震え、頬を涙が伝いました。 その時の僕には、悲しみや、後悔、自責の念はありませんでした。 あるのは1つだけ、恐怖のみです。 あの・・・一人暮しなんですけど。 同棲している人どころか、彼女もいないんですけど。 え?何この手紙?怖いんだけど・・・。 誰が書いたの?何の目的で書いたの? 誰かこの部屋にいるの? って言うか、貴樹って誰? 表札の浦野健って名前、かすりもしてねーじゃん。 一文字も合ってない・・・。 震える足を何とか動かし、部屋の中を見回しました。 6畳一間のアパートの一室。 玄関はもちろん、窓の施錠もしてありました。 もしやと思って開けたたんすの引き出しの中にしまってある預金通帳も、印鑑も無事でした。 書置きって、普通間違いが発生しないアイテムだと思ったんですが。 考えられるのは、この部屋の主意外の人が、この部屋に侵入し、何も物色することなく、この書置きを置いていった。 え?何のために? 自分の中はありえない行動に、ただただ謎が深まるのでした・・・。 あの日の夜、18時ごろ。 大きく深呼吸をした後、インターホンを鳴らしました。 表札に書かれた「浦野健」と言う名前が輝いて見えます。 今日こそ言わなきゃ。 私は、浦野君のことが好きだということを。 同棲している彼の家を黙って出て行ったのは昨日のこと。 私をそうさせたのは、今の彼の冷めた関係を終わらせたかったのと、どんなときも相談に乗ってくれた浦野くんの存在があったから・・・。 仮にこの告白でOKをもらえなくても良い。 自分の思いに正直になると決めて、半ば押しかけるような形だけれど、私は浦野くんの家に思いを告げに来たのです。 ところが、家の中から返事もなければ、物音も聞こえない。 どうやら、留守のようでした。 がっかりしたような、ほっとしたような気分になりました。 その後、どうするか・・・あれ?どうすればいいのかな・・・? 私は同棲中の彼の部屋から出て行った・・・つまり、帰る家はない・・・。 じゃあ、この間どうすれば良いのか・・・? 浦野くんが来るまで待つしかない・・・? それとも、近くの友達の家に泊めてもらう・・・? ・・・いや、いま友達の家に行ったら、きっとこの気持ちが冷めてしまう・・・。 浦野くんが帰ってくるまで、ここで待っていよう・・・! それにしても・・・少し寒くなってきたな・・・。 夕方になると、冷たい風が私の体に刺さるようでした。 そもそも、アパートの一室の前でずっと待っていたら怪しまれるかな? そして、仮に浦野くんが旅行に行っていたとして、1週間くらい家に帰ってこなかったらどうしよう・・・。 だんだんと気持ちと体温が冷めていくのが分かりました。 手をこすり合わせ、身震いしたその時・・・ドアノブに腕がぶつかって・・・ (カチャ) 浦野くんの家のドアが開いたのです。 彼は外出の際、家の鍵をかけ忘れてしまったようなのでした。 ・・・これは、家から離れるわけには行かないわ・・・。 だって、もしも空き巣がこの部屋に目をつけたら、とるものとり放題になってしまうもの・・・。 ・・・部屋の中・・・入るだけなら良いわよね・・・?大丈夫!何もしない!何もしないから! ドアを開け、なるべく音を立てないように締めたあと、内側から鍵をかけました。 何もしないから!お留守番を自主的にするだけだから!! 憧れの人の部屋は、そこまで広くないものの、綺麗に整理されたワンルームでした。 申し訳なさを感じながら、テーブルの上に、手に持った手紙を置き、部屋の中をきょろきょろしていると、彼が普段よく着ている服が目に留まりました。 ああ、浦野くんはいつもここで着替えて、この姿見で身だしなみを整えて、ここで食事をして、ここで眠って・・・ここで生活しているんだなあ・・・。 しみじみと考えていると、なんだか時間の流れを忘れてしまうようでした。 ぼんやりとした思考だった私が我に帰ったのは、ドアノブの音が耳に飛び込んだその瞬間でした。 あ!浦野くんが帰ってきた!慌てて表に出ようとしたそのとき、私は愕然としました。 姿見に映った私は、 浦 野 く ん の 服 を 勝 手 に 着 て い た のです。 ぼんやりとした最中の犯行。全く記憶にありませんでした。 なんにせよ、この格好を見られたら告白するどころか告発をされるに違いない。 どうしよう・・・どうしようどうしよう・・・!! 慌てた私がとった行動は・・・ ベッドの下にもぐる事、でした・・・。 今思い返しても、何でそんな事をしたのかわかりません。 こんなことをしても何も解決しないだろうし、気づかれなくてもいつ出るのよ・・・。 私の憂鬱など露知らず、鍵が外れた音がして、浦野くんの足音が近づいてきました。 そして、私は更に恐ろしいことに気づきました。 今の彼に書いた手紙を、浦野くんの部屋のテーブルの上に置いたままだったのです。 ああ・・・私ってばおっちょこちょいね・・・書置きに書いた手紙を置いてこないでここに持ってきてしまうなんて。 今の彼の高貴くんに書いた手紙を、まさか浦野くんが読むことになるなんて・・・。 案の定、ベッドの下から見える足は、テーブルの前で止まりました。置いてある書置きに気づいたのでしょう。カサカサという紙のこすれる音が聞こえてきました。 でも、妙なんです・・・その見えている浦野くんの足なんですけど、なぜか靴を履いたままなんです。 あれ?ここってアメリカスタイルの部屋なの・・・? でも、玄関に靴は綺麗に並んでいたような・・・。 その時、浦野くんが急に膝から崩れ落ちました。 意味不明な手紙を読んでしまったショックでしょうか? そりゃあそうでしょう、覚えもない同棲中の女から、勝手に出て行きますって手紙をもらったら。 私はその時、思わず叫び声を上げそうになりました。 急に膝から崩れ落ちた浦野くんに対してでも、手紙を読まれた恥ずかしさでもありません。 あのショックは一生涯忘れないでしょう。 テレビに反射して映る、おびえたような表情のその人の顔は、浦野くんではない、全然知らない男の顔だったのです。 え?誰この人・・・? 真っ黒な服、大きなマスク、そして土足・・・。 空き巣の三タテ。 彼は、たまたま浦野くんの家のドアをピッキングした空巣だったのです。 え?どうすれば良いの私?シチュエーションが特殊すぎて正解の動きと言うか何が間違いなのか分からない。 まあ、一番間違いなのはこの空巣をしているおっさんなんだろうけど、勝手に好きな人の家の部屋のベッドの下にもぐり込んで、服まで拝借している私も中々間違っているとは思うけど・・・。 空巣は手紙を呼んでしばらくおびえているようでしたが、ついに立ち直ったらしく、部屋の物色を始めました。 ああ・・・たんすの引き出しを開ける音がする・・・ああいうところに通帳や印鑑が入っているのだろうけど・・・怖い・・・空き巣怖い・・・でも・・・このまま野放しに出来ない・・・!! 「や、やめなさい!!」 「うおぁ!!!?」 (ガチャ)「あれ、鍵をかけていなか・・・」 ・・・僕の名前は浦野健・・・学生です。 3日くらい前。午後7時過ぎなんですけど、バイト終わりで自分のアパートの部屋に帰ったんです。 ドアノブに手をやったら鍵が開いてて。開けっ放しで出かけてしまっていたみたいで。 あぁ、やっちゃったなって思いながら部屋に入ったら、 同じサークルのすげえ地味な女の子が俺の服を着て、全然知らないおっさんにコブラツイストかけてたんすよ・・・。 |
インタープラグ/心霊写真
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綿谷 い、いい?撮るよ? 八神 わ、分かった・・・! 綿谷 はい、チーズ!(カシャ!) 八神 ・・・何で合図がそれなんだよ・・・? 綿谷 い、いや・・・写真撮るときはやっぱりこの合図かと思って・・・。 八神 それより、ちょっと写真見せてみろよ? 綿谷 う、うん・・・。(ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・)あ〜・・・ダメだ、八神くんしか写ってないや・・・。 八神 そうかぁ・・・まあ、その方がいいんだろうけどな。 綿谷 でも、クラスのみんなに言ったんだよ?町はずれの廃墟の病院は、出るって! 八神 もう何年も前に使われなくなったっていうから中々不気味な感じにはなってるけどな。 綿谷 それに、病院なんて亡くなった人多いはずなんだから、まだ彷徨える霊がいてもおかしくないんだよ! 八神 でも、デジカメに何も写ってねえじゃん。ちょっと緊張気味の俺しか写ってねえ・・・っていうか若干その顔もピンボケしてるぞ・・・。 綿谷 あぁ、顔認証モードがオフになってた・・・。 八神 まあ、顔撮るのが目的じゃないからいいんだけど・・・それより目的の幽霊は全く写ってないぞ? 綿谷 このデジカメ、背後霊認証モードついてないのかな・・・? 八神 付いてるはずがねえよっていうかそんな機能付いてるデジカメがあってたまるか! 綿谷 でも、この画像を加工して、心霊写真ってことにすればいい気もするよね。 八神 俺を死者に仕立て上げるな!もういいよ帰ろうぜ。 綿谷 えぇ〜・・・それじゃあ、最後に僕のことも一応撮っておいてよ。(デジカメを渡す) 八神 分かった分かった・・・。(デジカメを受け取る)それじゃあ撮るぞ。 綿谷 ピースっ! 八神 いや、普通に立ってろよ。はい、撮るぞ〜・・・。(カシャ!) 綿谷 ・・・どうだった? 八神 ちょっと待ってろ。(ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・)・・・えっ・・・。 綿谷 ど、どうしたの!?何か写ってた!? 八神 ・・・。 綿谷 だ、黙ってたらわかんないよ!!ちょっと見せてよ!(デジカメを手に取る)・・・あ!!! 八神 ・・・嘘だ・・・! 綿谷 ・・・すげぇ・・・!れ・・・霊が写っている・・・!・・・うわぁ!マジで!? 八神 や、やっぱり写ってるよな!?これ夢じゃないよな!? 綿谷 ゆ、夢じゃないよ!!本当に心霊写真が撮れたんだよ!霊が写っているよ!!・・・しかも5人も!! 八神 1・・・2・・・3・・・4・・・5・・・やっぱりそうだよな!?本当にこの写真には5人写ってるよな!? 綿谷 写ってるよ!5人も写ってるよ! 八神 ・・・6人じゃないよな!? 綿谷 だから5人だよ!1人でもびっくりするところだけど、5人も写っちゃってるよ!ほら、この頭から血を流している女の人! 八神 それと、真っ青で睨みをきかせているおっさんの霊! 綿谷 その隣が足のない男の子! 八神 前に倒れているやつもだよな!?包帯ぐるぐる巻きの!! 綿谷 あとは首のなくて点滴を持った人の霊がいる!これで5人! 八神 ・・・それ以外の人は写ってねえよな!? 綿谷 ・・・うん、多分写ってない!きっかりこの5人だよ! 八神 ・・・なんでお前写ってねえんだよ!!!!!! 綿谷 え!? 八神 お前だよお前!!お前に向けてシャッター切ったのに何で画像に幽霊しか写ってねえんだよ!!心霊写真が撮れたことよりそっちの方が怖いわ!! 綿谷 あれじゃない?カメラが僕のほうを向いてなかったんじゃない? 八神 そんなわけあるか!お前のほうばっちり向けてたわ! 綿谷 よし、それじゃあもう1回撮ってみよう!次はこの書類とかが入っていたであろう棚の前に立つから!(デジカメを手渡す) 八神 (デジカメを受け取る)・・・冷静に考えて霊がいるのがわかったから早く帰りたくなってきた・・・じゃあ、撮るぞ~・・・。(カシャ!) 綿谷 ・・・よし、確認してみよう! 八神 ・・・。(ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・) 綿谷 ・・・わぁ!さっきの霊が皆写ってる!主張が強いな! 八神 お前は弱すぎるわ!やっぱり写ってねえよ!!5人しか写ってねえよ!! 綿谷 でも、よく見てよ・・・皆、笑ってる・・・! 八神 なおさら怖ぇよ!!なんかこっちに語りかけてるんじゃねえのこういうのって!? 綿谷 これはでもまだまだ撮れそうだね!それじゃあ今度はこの手術台の上に寝転がるから、そこで写真撮ってみてよ! 八神 お前よくそういうのできるな!?っていうかお前が写真に写らないのが例の生なのか何なのかがわからん! 綿谷 体質? 八神 そんな体質あってたまるか! 綿谷 それより、ほら、撮ってみてよ! 八神 どうなっても知らんぞ・・・。(カシャ!) 綿谷 さ〜て、どうなったかな・・・。 八神 (ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・)・・・!? 綿谷 わっ!増えてる! 八神 もう・・・帰らない? 綿谷 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10・・・・15・・・16!! 八神 何でこんなに集まってるんだよ!! 綿谷 あ、後ろのほうで肩を組んでるよ! 八神 例の癖にはしゃいでんじゃねえよ!損でこの後ろの3人のうち1人が腕が無いから肩組めてねえよ! 綿谷 右側の3人は何でこんなドヤ顔なのかな・・・? 八神 底注目するところか!?こんなに恐怖心が薄れる心霊写真も珍しいぜ! 綿谷 でも、真ん中の手術台の上で手術の振りしてる霊も写ってるよ! 八神 その位置にいるはずのお前が何で写ってねえんだよ!?3回撮って3回とも写らないってお前いったい何者なんだよ!! 綿谷 う〜ん・・・カメラの故障かなぁ・・・このカメラ買ったばっかりなのに・・・。 八神 やっぱりちょっとおかしいとは思うぞ・・・?(カメラを手渡す) 綿谷 (カメラを受け取る)・・・。(ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・)あ!! 八神 ど、どうした!? 綿谷 ・・・設定画面見たんだけど、「この世の人間が写らないモード」に設定されてあった! 八神 何じゃそのモード!?どこのメーカーだよ!? 綿谷 だからこの世のものじゃない霊たちが写ったんだねぇ!納得!! 八神 どういう機能だそれ!?・・・って言うか、満足したならもう帰ろうぜ?このデータ皆に見せたらびっくりするだろうな・・・。 綿谷 そうだね・・・どおりで昨日街中の写真を撮っても人が写らなかったわけだ・・・! 八神 昨日からそうなってたのかよ!・・・ん? 綿谷 どうしたの帰らないの? 八神 ・・・さっき、そのカメラで俺のこと撮ったよな? |
カッターズ/最悪のシチュエーション
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竹下 どうも!カッターズです!よろしくお願いします!竹下、辻田、山尾の3人でやっているので覚えてください!! 辻田 今の世の中、大分物騒になってきたと思いますよね。 山尾 あぁ〜確かに!他の国に比べて平和だなんて言っているけどそんなことはないよな!日本は安全日なんて! 竹下 安全ね!?いらない一文字が入ってるからな!まあ、確かに連日胸が痛むようなニュースを見るよね。 辻田 だからこうやって漫才をやっている内もいろいろな危険があるかもしれないから、常に最悪のシチュエーションを想定して漫才をやる必要があると思うんですよね。 竹下 最悪のシチュエーション?例えば何ですか? 辻田 例えば、舞台にピストルを持った男が紛れ込んでいて僕らの命を狙ってくるかもしれないじゃないですか? 竹下 う〜ん・・・かもしれないじゃないですかって言われてもねえ・・・。 辻田 そうなった時にどうするかを想定したうえで漫才をやる必要があると思うんですよね。 竹下 いや〜・・・いくらなんでもそれはないんじゃない?観客席にそんな人がいたら警備員がすぐ取り押s 山尾 そうはいかねえ!!!!!(ピストルを取り出す) 竹下 え!?・・・いや・・・え!?えぇ!!!???ぎゃぁぁ!!!身内にいたあ!!観客席の体で考えていたのに!! 辻田 ま、まさかこんな身近にいるとは・・・!どこから入ってきた!? 竹下 身近すぎるだろ!ってか最初から隣にいたよ!!え!?っていうか何で!?山尾さんどうしちゃったの!? 山尾 うるせえ!!会場にいる全員に告げる!!この会場は俺とその一味が乗っ取った!! 竹下 何やってんだよ!一味って誰だよ!? 辻田 ま、まさかカッターズとは別のトリオを結成していたなんて・・・! 竹下 多分もっといるんじゃねえか!?三人でどうこうなるようなことじゃないよこれ!? 山尾 全員両手を上げるんだ!!さもないと二度と日の光を見れないようにしてやるぞ!! 竹下 え!?この舞台に閉じ込められるの!?(両手を上げる) 辻田 (両手を上げる)それか眼球を抉られるかですね。 竹下 えぐいえぐい!そういうこと言わないで!!そ、それよりも山尾さん!!いったい何でこんなことを!? 山尾 何でこんなことをだって?笑わせてくれるな!お前ら二人が・・・いや、竹下ならなぜ俺がこんなことをしたか、分かるんじゃないか? 竹下 ・・・ごめん、全然わかんない!思い当たる節が1個もない! 辻田 な、何か山尾さんの気に障るようなことをしたり言ったりしなかったんですか!? 竹下 う〜ん・・・相方だからそういうことがないわけじゃないけど、いきなりピストル持って会場の乗っ取りを始めさせるようなことは言ってないと思うんだけど・・・。 山尾 そうか・・・ならいいや。 竹下 ・・・いや良くないでしょ!!このままだとなんの理由もなく会場を乗っ取ったことになるからね!? 辻田 何か理由を考えなければ! 竹下 そうだな!・・・いや違うよ!?理由はこの際もういいから早く何とかしないとダメでしょこの乗っ取られた状態を!! 辻田 山尾さん、もしあなたに芸人としてのプライドがあるのなら、この乗っ取りをした理由を面白おかしくしゃべれるだろ? 竹下 無茶振りっていうかなんなんだそれ!?まずフリを出すシチュエーションじゃないでしょうが!! 山尾 芸人精神に則ったつもりが、のっとり違いでしたね! 竹下 乗っかりやがった!!そして度が過ぎる!!実際に乗っ取りしちゃってるからね!? 辻田 そうか・・・山尾さん、のっとり違いで会場を乗っ取っちゃったのか・・・。 山尾 この勘違い、痛恨の極み・・・! 竹下 本当にその理由だったんだ!何で僕ならその理由分かるって思ったんだよ!?兎に角、勘違いだったんなら今から謝って釈放して!ピストルも捨てて! 山尾 今更後には引けない! 竹下 引けよ! 辻田 引き金を!? 山尾 分かったぁ!! 竹下 違う!この状況をだよ!兎に角もうこんなことはやめて!良心があるなら! 辻田 少なくとも会場にいるお客さんや関係者だけでも釈放してくれないか? 山尾 ・・・客がいない状況下でのネタほどつらいものはないだろ!? 竹下 この状況の方がよっぽど辛いわ!!解決したとしても三人の漫才はもう続けられないし! 山尾 何故だ!?方向性の違いか!?俺は解散をみじんも感じてねえぞ! 竹下 手前のせいだ!!こんなことして元に戻れるとでも思うなよ!!なんだったら山尾さんが1番あさっての方向向いちゃってるからね!? 辻田 ・・・じゃあ、最後に三人での漫才を披露して解散しましょう。 山尾 そうだな! 竹下 こいつら嫌だ!!乗っ取った側と乗っ取られた側で何で漫才しなくちゃいけないんだよ! 山尾 俺、一度でいいから漫才でツッコミをやってみたいんだよね! 竹下 ああなんかすんなり始まったし!そして割と王道な設定だし!状況が異常だからなおさら普通が愛おしく感じる!! 辻田 じゃあ、僕と竹下さんがボケますので、山尾さんツッコんでください。 山尾 任せろ! 竹下 ピストル構えてるやつに言われたくねぇ〜!! 辻田 最近熱くなってきましたよね。このままいくと、12月くらいには50度超えるんじゃないでしょうか? 山尾 (バキューン!!!) 辻田 ぐはっ!! 竹下 !? 辻田 くっ・・・な、夏といえば・・・海水浴・・・プール・・・花火大会・・・あ、あと・・・箱根駅伝・・・! 山尾 (バキューン!!!) 辻田 ごふっ!!!・・・あ、あとは・・・食べ物でいえば・・・今川焼!!! 山尾 (バキューン!!バキューン!!バキューン!!バキューン!!カチッ!カチッ!) 竹下 山尾 どうも、ありがとうg 竹下 終われるかぁ!!! 山尾 あぁ、ごめん、竹下がボケてなかったな! 竹下 ボケれるかこの状態で!!辻田さん!!辻田さぁぁぁぁん!!!!! 山尾 や、やり過ぎたか!?でも大丈夫!もう弾は切れた! 竹下 そういう問題じゃねえよ!辻田さんが!今川焼が最後の言葉になっちゃった!! 山尾 いや、あのボケはないだろ・・・。 竹下 気に入っていないのはわかったけどね!同じようなボケだったのに最後だけ4発撃ったもんね!!弾切れしてたけどもう2発撃とうとしたからね!!は、早く病院に! 辻田 ・・・その必要はない。 山尾 な!? 竹下 うわぁ!!生きてたあ!!辻田さん!!大丈夫!? 辻田 ふっ、よく見ろよ竹下さん。僕の体は傷を負っちゃあいませんよ。 竹下 そ、そういえば血が流れていない・・・ど、どうして!? 辻田 この胸ポケットに・・・ジッポライターが。 山尾 何!? 竹下 おぉ!銃弾を受け止めている! 辻田 そして、反対側の内ポケットには、鉄板でできたお守りが。 山尾 馬鹿な! 竹下 凄い!どこの神社で売っているんだ!? 辻田 さらにズボンのポケットには、鉄板でできたお守りが! 山尾 そんな! 竹下 凄い!もう同じものが2つも出てきた! 辻田 そして、他のポケットには、ジッポライターが2つ。 山尾 全弾防ぎやがった! 竹下 凄い!!結局ライターとお守りしかもっていなかったんじゃないか!しかも6発撃たれたのに5個しか持ってないし! 山尾 辻田・・・負けたよ!お前のボケのセンスは日本・・・いや、EUで1番だ!(手を差し出す) 辻田 ありがとう!(握手をする) 竹下 良かった!辻田さん生粋の埼玉人だけどよかった!!これで僕たち3人欠けることなく漫才続けられるよぉぉぉぉお!!!!! 辻田 ・・・とまあ、僕はこのように相方が勘違いから会場を乗っ取っても大丈夫なように心構えをして舞台に臨んでいます。 山尾 なるほど!!だから衣装に不自然な凹凸があったんだな!こんなことが起きても辻田がいれば安全日だな!! 竹下 あぁ〜・・・うん、まあ・・・もうどうでもいいかな。 三人 どうもカッターズでした。 |