ゼロ
八神 (舞台下座の袖から登場)

   どうも!インタープラグです!!よろしくお願いします!

   本日は、「インタープラグ第2回単独ライブ、「Fear!」にお越しいただきありがとうございます!

   前回の単独から約1年ちょっとということでですね、色々なことがあったわけですが、こうして活動を継続できるのも皆様のおかげです!

   というわけで、二人でがんばっていこうと思ってるわけなんですけど・・・

   あれ・・・相方が出てこないな・・・。

   おーい!!早く出て来いよー!!俺のソロライブじゃねえぞ今日はー!!

綿谷 (舞台上座の袖から血まみれで登場)

   ど、どうも・・・ぐふぅ!

八神 

綿谷 (ふらふらしながらセンターマイクのところへ)

   い、インタープラグの・・・綿谷です・・・し、死ぬ気でがんばりますんで・・・よろしくお願いします・・・!

八神 既に死に掛けてるじゃねえか!!

綿谷 ちょ、八神くん・・・今は舞台の上だよ・・・?お客さんがみんな見てくれてるんだから・・・辛いことは隠さないと・・・!(タラー)

八神 ・・・お前は血を隠せよ!隠せって言うかどういうことこれ!?どうした!?オープニングから明転までの間に何があった!!?

綿谷 な、なんか出てくる前、袖にある備品とか置いた棚が全部僕に倒れてきて・・・下敷きになっちゃった☆(てへ血ぺろ)

八神 なっちゃった☆じゃねえよ!!どさくさで血を舐めるなよ!!病院行ったほうがいいって!!

綿谷 で、でもそんなことしたら、この場にいるお客さんはどうすればいいんだよ?せっかく・・・せっかく貴重な時間を割いて僕らの単独を見に来てくれたのに・・・痛たたたたた!!!身が裂けるように痛い!

八神 こんなもん見に来たわけではない絶対に!っていうか一回照明落とせや!!この間に何人か席を立ったの見えたぞ!!!

綿谷 照明は落とすなぁ!!「照明落とすのはネタを落とした後だな」って八神くんいつも言ってるじゃないかぁ!!

八神 やめて!その寒い台詞言うのやめて!!

綿谷 と、とにかく単独なんでね・・・普段あまりやらない漫才をやってみようってことなんですよ・・・!

八神 何でそんなにやる気満々なんだよ!?

綿谷 僕ね?漫画でありがちな恋愛にあこがれてるんだよね。(ダラダラ)

八神 ネタ始まっちゃった!頭からの出血が止まってない状態で始まっちゃった!喋りも止まらないし!

綿谷 例えば、僕が遅刻しかけて、通学路を走っていると、曲がり角で女の子とぶつかったりしてね。(ドバドバ)

八神 喋りのせいで血の巡りが良くなってる!?おかげで出血がひどくなってる!!

綿谷 僕が走ってくるから、八神くんは曲がり角でぶつかる女の子やってください。(フラフラ)

八神 その件やって大丈夫か!?この衝突で更なる怪我を負ったりしないか!?

綿谷 あ〜、ヤバい・・・遅刻する〜・・・本当にヤバい・・・ヤバい・・・。

八神 ヤバいの意味!学校に行く前にあの世に行きそうじゃんかよ!学校じゃなくて病院行ってくれよ!

綿谷 (フラフラ)急げ急げ・・・。

八神 完全に生き急いでるな・・・と、とりあえずぶつからないと。えいっ。(パスッ)

綿谷 っ!!!(ドシャァァァァァァァ!!!!)

八神 そんなに転ぶ!?軽〜い感じでぶつかったのに!?

綿谷 痛ててててててて!!!!・・・誰だよちくしょ・・・・痛てててててて!

八神 それ転んだことによる痛みだけじゃねえだろ!?

綿谷 どこ見て歩いてだよ!・・・あ、あれ?どこ行きやがった・・・?(ダラダラダラダラ)

八神 血で視界がふさがれちゃってるじゃないか!!こっちだよこっち!!

綿谷 あ!そっちか!どこ見てるんだよこの野郎!病院送りにするぞ!

八神 お前がまず病院行けや!割とすぐに行けや!!

綿谷 ・・・と、とか言ってその場は別れるんですけど、学校に着いたら衝撃の事実が分かるんですよね。

八神 お前が学校についた時点でどんな出来事も霞むわ!

綿谷 僕は視界が霞み始めてるけどねっ。

八神 舞台上で死なないでくれ!早く病院に行ってくれや!!

綿谷 先生が、「今日このクラスに転校生が来たから紹介します。はい!ざわざわしない!」見たいに言ってね。

八神 この場合のざわつきは多分お前のせいだと思うぞ!?制服も多分赤ランになってそう!

綿谷 ここでなんと・・・!

八神 ・・・?

綿谷 ・・・!あ、ここで何とさっきぶつかったあの女の子が紹介されるんですよ!

八神 今一瞬意識飛んでただろ!?危うく三途の河を渡る所だった!!

綿谷 で、僕が言うわけですよ。「あ・・・お前はあの時ぶつかった・・・幼稚園のお遊戯会・・・自転車に乗ったとき・・・小4の時の家族旅行・・・中学の時の体育祭・・・。」

八神 途中から走馬灯走ってるじゃねえか!これまでの人生が鮮やかによみがえってるじゃねえかあ!!

綿谷 そ、その時はぶつかった事をいがみ合うんですけど、ぶつかり合ううちに、二人はいつの間にか惹かれあうんですよね・・・時間が少しかかるかもしれないけど・・・。

八神 俺はお前の命がもつかどうかが心配だ!

綿谷 そんなある日、その子から体育館の裏に呼び出されるんだよね・・・。

八神 早く裏に引き返したい!

綿谷 決闘かって思って行ってみると・・・その子が顔を赤くして待っているんですよ。血も流してないのに。

八神 現状お前の方が赤いぞ!?

綿谷 その子の様子がいつもと違うのに少し疑問を感じるんだよね。例えば、しきりに前髪を直してたりとか、普段より内股になってたりとか。

八神 人の些細な変化よりも自分の体の一大事どうにかしろや!

綿谷 で、「前から好きでした!」って告白を受ける!思わず僕も戸惑い、照れ臭くなるわけですね。(ドッパドッパ)

八神 文字通り頭を冷やしてくれ!血の巡りが良くなって死にそうになってるじゃん!

綿谷 まあ、絵面としては恋愛シミュレーションゲームっぽくなっちゃったかな?

八神 絵面で言えばバイオレンスゲームに近いぞ!パッケージの左下に「Z」って書いてジャンルだわ!

綿谷 ああ、ドラゴンボールの。

八神 そのZじゃねえよ!そんでドラゴンボールだったらタイトル的に右下に来るぞ!?

綿谷 ・・・は?

八神 素で返すのやめてくれ!!だからぁ、ドラゴンボールZってタイトルが表示されたら、右下にZが来るだろ?

綿谷 ・・・。

八神 ・・・?

綿谷 ・・・あ、そういうことか・・・。

八神 今の間は理解に時間がかかったのか単純にまた意識が飛んだのかどっちなんだよ!?

綿谷 それでまあ、付き合って行けたら最高だよね・・・。(鼻血ドバドバ)

八神 ・・・それは心配できねえ!大概にしろ!

二人 どうもありがとうござました。




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